日常日記 ～天然娘～

第15話 ちょっとエッチな話

娘　中１

ド天然でぽけーっとした娘も、

中学校に入って半年もすると、性についての知識や話題などがそれなりに入ってくるようだ。

｢この麺１本だけ太くて長い｣

とか、

｢このイチゴは大きいけど硬い｣

とか、

私と娘との会話で、男性器のそれを連続させる

｢長い｣

｢太い｣

｢硬い｣

といったワードが出て来ると、

｢ママ、ママ！…あのね、女の人がね、男の人の前で長いとか、硬いとか、太いとかって言ったら恥ずかしいんだよ！男のアレの事なんだって！〇〇君が言ってたよ！｣

と、教えてくれるようにもなった。

と、いうのもクラスのひょうきんな男子に

｢女の子が公衆の面前で硬いとか言っちゃイヤーン｣

などと言われたりしたようだ。

ウチは割と…もとい、私がオープンな性格のため、娘ともそういった下ネタ話も平気でする。

勿論、娘には純粋でいて欲しいので、私から娘にそう言った話をわざわざ振ることは無いが、年相応に合わせての会話はオープンにするようにしている。

娘と観ていたテレビ番組で性の話題が出たときも、娘が聞いてきたときにはキチンと教えるし、時には下ネタで大爆笑することもある。

つい昨日、無印良品で無印良品週間が開催されていたため、娘と２人で無印良品へ買い物に行ってきた。

私が出張用のトラベルセットのコーナーを見ていると、隣に娘がフラーッとやって来て、目線の先にあった銀色の商品を手に取った。

｢ママ、コレ、なんだろう？｣

娘の手に持たれていたその銀色の商品の正体はコンドームだった。

｢やだ！アンタそれコンドームだよ！｣

｢えっ！！ヤダ！！いかがわしい！｣

娘は大慌てでそれを棚に戻し、思いっきり後ずさりした。

｢『いかがわしい』って…アンタ…そんな驚く事も無いじゃんよ。大事なことじゃない、避妊。てか、アンタ『いかがわしい』って事はコレどうやって使うか知ってる訳？｣

｢知ってるよ！そんぐらい！学校で習ったもんアレの時にアレにつけて使うんでしょ？クラスの男子が言ってた！無印良品で『売ってちゃいけないもの』を見つけたって言ってたけど、多分コレの事だ！絶対そうだ！｣

｢アハハ、そうそう。アレの時にアレにね。ハハハハ！でも、売ってちゃいけないモンでは無いよ。大事な事だよ～？｣

｢ママ、いつまでそこに立ってるの！ママのようなオバサンがそれを使うと思われたら、わたしが恥ずかしい！早く行こ！！｣

｢や、ママはコンドームじゃなくて出張の時の詰め替えボトルを見てるんだけど…それにここ別にコンドーム売り場じゃないし｣

｢ダメ！ソレを言っちゃダメ！！！わたしは離れてるからね！ソレはもう絶対に見ちゃダメだからね！！｣

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

その翌日。

娘はこの日、朝から夕方まで塾の強化勉強会ということで、娘を車で塾の玄関まで送っていくと、同じ塾の男の子が４人程、入口付近に停めた自転車を囲んで話をしていた。

その男の子達に気を配りながらそろそろと車を走らせようとしたその時、入口に入りかけた娘がこちらに戻ってきて

｢あ！ママ！水筒忘れたからお茶入れて持ってきて！少しでいいから！｣

と、言うので

｢何？どの水筒？少しって事は小さい方でいいの？｣

と、問いかけた。

娘は水筒を２つ持っていて、

内容量450mlの小さい方の水筒と

内容量2Lの夏場の部活の時に使う大きなものと２つ持っている。

｢ち、ちょっとママ！！何でもイイから早くどっか言って！早く！！もう！信じらんない！！！｣

いきなり怒り出した娘に疑問を抱きながらも水筒を取りに家に戻った。

結局、どっちの水筒か判らなかった私は、大きい方の水筒に半分程のお茶を入れて再び塾へ向かった。

わたしが水筒を届けに行ったときには既に授業が始まっていたため、塾の事務室に届けてきた。

　夕方になり、再び塾の駐車場で娘を待っていると、大きい方の水筒を片手に持った娘が疲れた顔をして車に乗り込んできた。

｢こっちの水筒じゃなくて水色のほう(小さい方)で良かったのに～。いっぱい余った｣

｢持ってきて貰って文句言わないの。てかさっき何でいきなりあんなに怒り出した訳？｣

｢だってママ、男子がいっぱいいたのに小さいとか言うんだもん！｣

｢……は？｣

｢だってクラスの男子が言ってたよ。男の前で『小さい』とか『短い』って言ったら凄い傷つくんだってよ！？ママ、大人なのにそんなことも知らないの？？？｣

｢……あんたね……それ、何の事について言ってるか分かってる？｣

｢……え？｣

｢それは多分、女が男のチ〇チ〇を見たときに小さいとか短いと言ったら傷つくよって話だと思うよ？｣

｢……え！｣

｢あんたねぇ……、『長い』『短い』『大きい』『小さい』『太い』『硬い』って言葉が全部使えなかったら、誰とも会話出来ないよ……｣

｢マ、ママ！！全部言わなくてイイから！！！｣

耳まで真っ赤にして必死に弁解する娘。

涙目になりながら爆笑する母。

娘、中１。

まだまだ純粋。