まさかりの形をした青森県は下北半島を舞台にした、音楽フェス「まさかリズム」をテーマにしたお話です。
主人公は2人。フェスを立ち上げようとする地元の男性と、東京から地方へと転校し、地方に馴染めず悩んでいる女の子です。
地方ならではのフェスを作る側の情熱と、フェスに参加する側の葛藤が描かれていて、そういう経緯があったのかあ、と感心することしきりでした。
不思議なリズムのある下北弁全開で、問題に立ち向かっていく登場人物たちは生き生きとしています。何より、主人公の友人のギャルで下北弁の弓ちゃんが可愛いのです。出来ればすごい肌焼いてて欲しい。
「地方住み」という事にコンプレックスやディスアドバンテージを感じている方も、そうでない方も、是非ご一読を。
2017年9月30日、青森県の下北半島、むつ市にて。
「まさかリズム」という野外イベントが開催された。
それが初回の試みだったそうだが、検索してみると、
すでに2018年の第2回開催に向けて動き出している。
「食と音楽の祭典」
「下北が一堂に会する」
「下北全土を巻き込んだ」
という熱い言葉が、ウェブ上の情報にも並んでいる。
本作は、まさかリズムの立ち上げをめぐる舞台裏と、
イベントへの参加を通じて自分を見つめ直す少女を、
下北半島の土地の魅力をたっぷり交えて描いている。
「下北文化祭」を皆で作り上げていく様子が、熱い。
下北半島の方言がたっぷり読めるのが、とても素敵!
登場人物の台詞に勢いがあって、生き生きしている。
同時に、東京から越してきてむつに馴染めない未沙の
やるせなさや孤独が文面からダイレクトに感じ取れる。
まちなかで開催する音楽イベントだから、問題は音だ。
近隣の人々に配慮して、会場側も最初は難色を示した。
その問題を、どうすればクリアしていけるのだろうか。
そもそもこれは誰のため、何のためのイベントなのか。
軽快に交わされる会話の中でいくつもの気付きがあり、
まさかリズム開催に向けて、皆がパワフルに動き出す。
さあ、そこにどんなドラマが描かれるのか。
ご当地野外フェスって楽しそう!