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 気が付くとあなたは知らない部屋のベッドに寝かされていた。どうやら気を失った後にどこかに運ばれたらしい。見たところ、ログハウス的な部屋のようだ。


「あ、気がついた? もう大丈夫?」

「え……?」


 目が覚めたあなたを心配そうに覗き込んでいたのはあの少女だった。あなたは何がどうなってこう言う事になったのか全く訳が分からず、ただただ困惑する。


「あの、その、えっと、その……何故……?」

「まずは落ち着いて」


 焦って意味不明な事を口走るあなたを彼女は優しく受け止めてくれる。その後に水の入ったコップを渡され、あなたは一気に喉に流し込んだ。


「落ち着いた?」

「有難う。で、ここは……?」

「ここは私の知り合いの人の別荘。今ちょっと借りてるんだ」

「そ、そうなんだ……」


 現在地の謎はこれで解けたものの、聞きたい事は他にも色々あった。まずは倒れた後にどうやってここまで運び込まれたのか、倒れた時に少女は近くにいたのか、そもそもの一番の謎は何故彼女があなたをこの部屋に寝かせたのかと言う事。色んな疑問が頭の中でこんがらがって、あなたはそれを上手く言語化出来ない。

 そんなあなたの様子を眺めていた少女は、くすっと笑うと率先して話し始めた。


「あなたが倒れたのは地上絵を見てしまったから」

「な、何故それを?」

「私、感じたから。それで魔法でここに運んだんだ」

「魔法?」

「私、魔法使いなんだ」


 その言葉を信じるなら、あなたは彼女の魔法でここに運ばれたらしい。魔法と地上絵が上手く繋がらなかったものの、きっと両者には何か密接な関係があるのだろう。あなたはこの怒涛の展開に首を上下に動かす事しか出来なかった。


「あの地上絵が見えると言う事は、あなたには資格があると言う事。お願い、話を聞いてもらえる?」

「お、お願い?」

「……私と一緒に来て欲しい」


 少女はあなたに向かって深く頭を下げる。そこに深い事情を察したあなたは腕を組んで悩み始めた。魔法使いの少女が助けを求めると言う事は、何か危険な事態に巻き込まれる可能性が高い。美少女と一緒に行動出来る事は役得でもあるものの、付随するリスクを考えると簡単には決断出来なかった。


 未知の危険を取るのか、それとも――。



 ここまで来たら乗りかかった船だ、彼女の頼みを聞こう

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886028099/episodes/1177354054886089482

 いや、危険な匂いがぷんぷんする。悪いけど、この話は断ろう

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886028099/episodes/1177354054886092944

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