星よ きいてくれ

【最下層】継承記録大墳墓 『魔皇国フェルヴィン』

第一節【魔法使いサリーと灼銅の魔人】

全登場人物リスト（ネタバレなし簡易版）

【主人公】

　✡サリヴァン・ライト

　赤毛、近視、低身長の少年魔法使い。表向きは見習い杖職人。17歳。師が与える課題に応え続けて育ち、非常にトラブルに強い。処世術でチンピラっぽく見せているが、外見の印象よりずっと純朴で真面目。

　✡ジジ

　サリヴァンの相棒の魔人。性別は無い。外見は12歳前後の浮浪児。おそらく古代から生き残っている『意志ある魔法』だが、本人には過去の記憶がない。

　犯罪を職として暮らしていたが、いろいろあって足を洗ってサリヴァンの相棒になった。

　✡アルヴィン・アトラス

　金髪碧眼の美少年。14歳。フェルヴィンの第四皇子。上に腹違いの兄姉が四人もいる。物語を愛する純朴な少年だが……。

　✡ミケ

　生まれながらに『語り部』という役職についている魔人。心から主人であるアルヴィンを愛している。

　アルヴィンと同じ14歳。

【主要人物】

　✡アイリーン・クロックフォード（『影の王』）

　サリヴァンの師匠のひとり。『銀蛇』という魔法の杖の店の女主人で、唯一の職人。

　男女の境があいまいな麗人。40歳で既婚一子ありだが、わけあってシングルマザー。自分以外の人類の限界値をよくわかっていないため、周囲の人間を過大評価し、たびたび死地に追いやる。尊大な人物に見えるが、ただの天然。

　✡ヒース・E・クロックフォード

　アイリーンの一粒種で、サリヴァンの幼馴染。19歳。小汚い恰好をしているが、その下に父親譲りの類まれな美貌を持つ。

　この若さで自分の船を持つ天才航海士として活躍している。

　✡アトラス王家

　・レイバーン・アトラス

　アルヴィンの父。フェルヴィン皇帝。妻を二人とも亡くしている。

　我が子からの評価は、公私を分けすぎて家庭を顧みない頑固おやじ。

　・グウィン・アトラス

　アルヴィンの一番上の兄。皇太子。34歳。文武両道の熊のような大男。優しく高潔な思想を持つが、情が深すぎるのが弱点。

　ヴェロニカ・アトラス

　アトラス兄弟の紅一点。アルヴィンの姉。32歳。才色兼備の大きな（213㎝）美女。

　ケヴィン・アトラス

　アルヴィンの兄。体が弱いが頭がきれる。現実主義で、神秘や奇跡の概念をあまり信用していない。皇帝の秘書役をしている。30歳。

　ヒューゴ・アトラス

　アルヴィンの兄。アトラス兄弟イチの傾奇者。コミュ強の天才肌で、弟に甘く、姉に弱く、兄と父には少し反抗的。27歳。

　✡ジーン・アトラス

　レイバーンの前の皇帝。国の英雄。故人。美貌で知られる。

　✡コネリウス・アトラス

　ジーンの双子の弟。90歳を超えて存命だが、フェルヴィンを去っている。

　✡ユリア・アトラス

　ジーンとコネリウスの母。歴史に名を遺した悪女で、優秀な政治家だった。通称『偽りの女帝』『大淫婦ユリア』。

　✡オーガスタス・アトラス

　ユリアの実弟で、ジーンとコネリウスの実父で、レイバーンの実父。

　レイバーン・ジーンよりさらに前の皇帝。通称『無能王』。

　生まれながらにヤンデレ姉ユリアを愛し愛され、執務を放棄し、最終的には、ユリアに全権を明け渡し、地下に自ら軟禁された。のちに処刑。

　フェルヴィン皇国の持つ、負の歴史の象徴となってしまった皇帝。

　✡語り部たち

　・ダッチェス

　レイバーンの『語り部』。現在稼働中の語り部では最年長。

　・ベルリオズ

　グウィンの『語り部』。屈強な老紳士の姿をしている。

　・ダイアナ

　ヴェロニカの『語り部』。華奢で上品な老女の姿をしている。故ジーン・アトラスの『語り部』だった。

　・ルナ

　かつてコネリウスの『語り部』だった魔人。王家の証である彼女を失ったために、コネリウスは国を去る。

　・マリア

　ケヴィンの『語り部』。目元涼しく黒髪が美しい女の姿をしている。自己主張が少ない、典型的な語り部。

　・トゥルーズ

　ヒューゴ皇子の『語り部』。青年の姿をしているが、落ち着きがなく子供っぽい、語り部っぽくない語り部。ヒューゴの前は、無能王オーガスタスの語り部だった。音楽の才能がある。

　✡モニカ・アーレ

　皇太子グウィンの婚約者。次期皇太后。有名大学を卒業している才女。芯が強く気さくな性格。大農場の娘。

　✡トーマ・ペロー

　ヴェロニカ皇女の護衛。

　✡コナン・ペロー中尉

　ヴェロニカ皇女の護衛。

　✡ドゥ（灰色の魔術師）

　フェルヴィン皇国の王城の襲撃者。宗教的な灰色のローブをまとった魔術師。ローブの下は骸骨。

　✡アポリュオン

　ドゥ配下の怪物。神話に語られる『奈落の王』。

　✡「あの方」

　ドゥが語る黒幕。