第2話トキメキアフター×one
ゆかりは42歳。香織とは4歳年上。
銀座の陶芸教室で知り合って家もお互い近いことから
仲良くなってもう10年になる。
当時ゆかりは建築デザインのご主人と明大前に自宅兼オフィスがあり
香織は永福町の実家住まいだった為、お互い電車は一駅、歩いても行き来出来る
距離で、お教室の帰りも良く家の近くで食事がてら呑んで帰ったりと
あっという間に気が合う友となり、
今となっては双方同性の姉弟が居ないせいか姉妹のような
付き合いをするようになっている。
「話はね・・」
いつも早口ではっきり話すゆかりが聞こえない声でもごもご
聞こえないんだけど?
「うん、うん、どーした?」
「実は、ちょっと、時々、ご飯食べたり、お酒飲んだり、する人が出来てね
あの、あ、良い人なんだけど」
見たことないくらい照れながら話すゆかりは年下みたいに見えるくらいに
可愛いんですけど!
「ほんとに!よかったじゃない!!離婚してもう5年だし」
「あ、ありがと・・あのね、話ってね・・彼」
「今度紹介してよー、私の姉を泣かしたらゆるさーんって言うからっ」
「そ、れがね、怒らないでね。奥様がいらっしゃるの・・・」
椅子から転げ落ちるほどの衝撃は久しぶりで、思わず
大声で
「ぬぐあんとな・・・?」
と訳のわからない言葉を発し、ホントはなんんとな?と
言いたかったのか、それもわからなくなってしまった。
「それでもいいの」
なんて、安っぽいメロドラマかと思うほど、あきれるよりも
心配になり、折角の蕎麦焼酎の冷たい蕎麦湯割り?
冷たいから湯は間違いかといつも考えるのだけど、そんな味も行方不明。
相手のにっくき男子?おっさん?はシンちゃんと言うらしく
シンちゃんはとても紳士でやさしいとその日は永遠とのろけられる次第、
「奥さんにばれたら大変だよ、昨今は訴えられてお金まで持ってかれるんだから
傷ついてまで・・」
「彼、全部責任取るって一筆書いてくれてるの、印鑑証明まで付けて」
呆れるが、惚れるのもしかたないと思ってきた。
私も真一と付き合ったときは奥様が居て一筆書くからって
書いて渡してくれた。
女なんて、単純。
「ごめん、そろそろ真一帰ってくるから、今日は帰るよ」
「急に呼び出してゴメン!なんか彼のこと話したくて」
「引っ越す前にゆっくりご飯いこっ」
香織が家に着くと真一がキッチンで焼きそばを作りながら
ビールを飲んでいた。
「ごめん、遅くなって!」
「いいよ、友達と約束あるって言ってたし」
「ビール、付き合う!ちょっと話がどきどきで飲んだ気がしなかった(笑)」
「カンパイ、お帰り」
「そういえば、今日はどこのお友達?」
乾杯はふたりで @chiezou1222
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