梟首隊
安良巻祐介
「正午です。お昼の時間です。町の皆さんは元気にあいさつをかわしお昼の席に着きましょう。」街頭ラジオが平坦な声で呟く下で、裸身に白い布を巻き付けた
誰がいつ頃考えたのだか、非常にやりやすい開祖開教形式が発案され出回り始めてから、民間宗教の乱立が流行り病となった。それも見慣れた古めかしい神仏のまします既存の宗教系統ではない、どれもこれも根も葉も火もないところへ怪しげな煙が立って、現代の個々人の思想に則り日曜大工のごとく作り上げられた、新興宗教どころか即興宗教だ。そんなものがあちこちで自然と芽を吹くように生まれては、困ったことにどうやってだかどれもこれもある程度の信徒を得て体裁を整え、数日もすればいっぱしの顔をしてお題目を唱えおかしな格好をして動き始めるから、今では常に百を割らないくらいの数が安定し、野犬や狐狸のような対策カリキュラムが組まれるほど、日常に見慣れた存在になってしまった。
さて今、通りを群れなしてゴボゴボと啼きながら水得た魚群の態で進んで行く咳団の行く手で、遠吠えのような砂笛が鳴った。そうして公道と繋がる路地の向こうから、揃いの
梟首隊 安良巻祐介 @aramaki88
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます