EPISODE5 朝霧団
唐突にだが、ここの団は、人数が少ないため、入ると言った新入団員にこれといって試験をしたりすることもない。この団は、国からの要請がない限りダンジョン以外で戦わされることはない。特に弱いということはないのだろうと思うが、国から厄介者として扱われる。僕は、こいつらは強いと思っているけどなぁ〜。
「Kくん戦いましょう!」
コロルが、Kくんにそう告げると、Kくんは嫌々そうな顔をしないで立ち上がる。なんて、行儀の良い人なのだろうか。
「私は、回復はしませんからね!」
とラビリアンは、怒った表情でコロルとチロルを見る。まぁ、こいつらの若さの力なんかだったらすぐ治るだろろう。負けるきはまったくないから、大丈夫か。
「まあ、やるなら外でに行こうか」
みんなが外に移動する。ここの団は山奥にあり、人の住処などはとうにない。ここらへんで相当暴れても別に問題ない。能力同士の戦いでも。
「それじゃあ、勝負といきましょうか!」
「はぁっ!?何いってんの〜!先に兄の僕からでしょう?」
勝負前にこっちでの戦いが始まってしまいそうだ。
「いつも、お前ばっかじゃん!ずるいよ~。お兄ちゃんだから何が偉いんだよ!」
チロルの目が赤くなる。(これは、この兄弟だけなのかもしれないが、能力を使おうとすると目が変色しだす)
「そっちだって、言えないじゃん!」
コロルも目が赤くなりだす。
誰かがこの二人を止めない限り、戦いは終わらないだろう。
「待って、ください。。。僕が、ふたりともいっぺんに戦います。。」
「えっ!?」
二人共の動きが止まる。
正直僕もびっくりした。こんな事が言えるやつがいるとは。上出来なやつではないか。多分だが、強いだろう。能力のない僕でも、わかる。
「いいの〜?僕ら強いよ〜」
「そうだよ、いいの〜?」
「大丈夫です。。。さあ、勝負しましょう」
「OK!じゃあ、本気でいかせてもらうよ」
「あんまり、こいつとはコンビにはなりたくないが、今回はタッグを組んでやっちゃうよ〜!」
二人は、構えだす。それにともなって、Kくんも構えだす。
チロルは、呪文を唱えだす。
「いでよ、
石でできたゴレームをコロルは発動する。これは、Aランクのゴーレムである。相当気合の入った戦いなのだろう。コロルがここまで強いランクのゴーレムを出すのはは珍しい。
ゴーレムがKの前に攻めていく。このゴーレムは、毒を持っているために触ると毒が回っていってしまう。
Kくんは、わかっているのだろうかゴーレムの後ろに回り込む。すごいスピードで。だが、それを読んでいた、コロルはもう1体の水のゴーレムを用意していた。それは、Bランクの小さめなゴーレムである。そして、チロルもまたコロルの読みに乗っかり、Kの後ろに構えていた。チロルは、風でKの動きを70%も止めていた。
「ぐはっっ」
Kは、苦しそうな顔をしている。それを見かねたチロルは、風で剣を短時間的に作り出し、Kの前に風に乗って行く。これは、惜しいがこの双子の勝ちだろう。新団員でここまで追い込められるのはすごい。団長の僕でさえ拍手ものだ。
「決まったね」
コロルは、後方の方で小さく喜んでいる。
チロルの方で爆発音がする。
バトル∞ 佐乃 彰 @Akuma64
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