EPISODE4 はじめまして
「なので、ここの団に入団させてください。。。」
こんな入団員が入ってくれたらなぁ〜。ってか、今、現に入りたいって言った。この子がうちに入ってくれんの、こんな団に!?あ、僕は団長だから普通に接しないと。新入団員に迷惑になってしまう。
「本当にうちの団でいいんだな。後悔はないか?」
「はいっ。。。」
彼は、ここの団によっぽど入りたいのだろう。目が真剣である。
「やった〜!!新しい団員が入ったよ~」
いつもは、おとなしく寝ているとこしか見たことのないコロルが一番最初に喜んでいる。
「あぁ、良かったな。」
ルーラックがコロルに落ち着けと言うように接する。ルーラックは、うちの団の中での常識人である。(ゴーレムが常識人だなんて他の団には言えないな笑)
僕も正直嬉しい。こんな強そうな人が入ってくれるなんて。しかも、性格もいい子そうだから嬉しいな。これでうちの団の騒がしさがおさまることを願おう。
「てか、こんな立ち話もなんだし、そこの椅子に座って詳しいことを聞こう!」
キルが、新入団員に優しそうに告げる。それを聞いた、みんなが新入団員を囲むように座る。
「遅くなったが君の名前は?」
「Kです。。。」
K?珍しい、と言うかホント名前なのだろうか。
「本当の名前なの?」
とアイリスは問うと、
「俺、施設で育ったので名前がないんっすよ。。。」
施設育ちかぁ。うちの団では、コロルとチロルがそうだったと思う。うちらの団では珍しくはない。
「親や身内がいなくて、施設で育てられました。。。」
とKくんは答えた。悲しそうな表情で。
「そうだったのか」
と僕が言うと、それを聞いていなかったかのようにチロルが問う。
「Kくんってなんの能力使い?僕も君と戦いたいなぁ〜」
「あ、ずるい〜。僕も僕も!」
双子コンビが一斉に質問を始める。どれだけ戦いたいのだ。子供の鳥が親鳥に餌を拒むような状態になっている。
「僕の能力ですか、弱いと思いますが、火を使う能力です。。」
火か。珍しいな、自分の目では見たことがなさそうだ。いや、過去にいたかもしれない。どんなやつだったっけ。そうだ、あいつだ。あいつのことは、もう思い出したくない。嫌な思い出だ。なぜ、あいつのことを思い出してしまったのだ。あいつなんて…。コロシ…
「団長、大丈夫ですか?何か、険しい顔をしてましたけど。」
「あぁ、大丈夫だ。何もない。気遣いありがとう」
キルは、僕のことをよくわかっているやつだ。なんて、優しいやつなんだ。
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