胤

たね

本当に読みたい本は自分で手に入れる

本当に伝えたい言葉は自分で叫ぶんだ

細くて届かなくたってこの声で叫ぶんだ

いつも喉まで出た言葉は

半開きのまま ゴクリと飲み込んで

まあいいさで 自分を満たしてる

五臓六腑もザクザク転がり

行き場のない名も無き痛みは

そして何処に行くのでしょう

ニブンノイチの是が非で切られ

ヒカリを浴びれば咲かせるソレは

クラヤミの闇 上下左右も分からずに

さむくてこわくてだから傷まないよに

自分でトゲの手を伸ばしたのでしょう

ココロが風邪をひきました

骨がキシリと音をあげて

コホリケホリと咳が出ます

ソレはトゲトゲ飛び立って

心を無くした怪獣は

ホロリハラリと叫ぶのです

出せずにしまったままでしょう

せめて お水をあげましょう

ひと時 涙を留めるでしょう

いつか暖まる薬をあげましょう

あなたがだれかを忘れないよう

叫んだ思いが種となり

踏まれ揺られて根を張って

水を蓄え言葉が茂る

紙とインクと輪廻と巡る

いつかも今も輪廻と巡る

本当に読みたい本は自分で手に入れる

本当に伝えたい言葉は自分で叫ぶんだ

枯れて潰れたこの声でも

途切れて消えて溶けたって

いつか何処かで叫ぶんだ

誰かに何かに届くまで

今もいついつまでも叫ぶんだ