回転木馬は止まらない -3

 ――。


「んっ……?」


 全身の痛みに懐かしさを感じながら目を開くと、そこは駅のホームだった。時間を確認すれば、電車に乗り込んだ三分前――どうやら、その日の朝に戻る法則では無かったらしい。


 ともあれ、そんなことはどうだっていい。


 朝だろうが昼だろうが何時だろうが、振り出しに戻されたことに違いはない。


 なぜ戻れたのか、どうして戻れたのかはわからない。少なくともこれは、華からの贈り物だろう。もしくは呪い、か。


 また前回とは毛色の異なる事件のようだが、どこかには必ず解決できる道筋があるはずだ。


 全員救う。その思いはずっと同じだ。いや――むしろ、強くなったと言ってもいい。


 まぁ、俺に任せておけ。何度だって死んでやる。そんでもって振り出しに戻ってやり直すんだ。


「さぁ――」


 終わらない今日の始まりだ。

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スタート・オーバー 化茶ぬき @tanuki3

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