25.図書迷宮 感想

 第10回MF文庫J新人賞応募作。


 規定の300ページに収まらず、未完のままとなったにも関わらず最終選考に残ったという作品。


 2014年に応募された作品ですが、3年間改稿を続け、それでもどうしてもMF文庫Jの規格に収まらず、ついには規格を広げて520ページでの刊行となったという異例の作品。


 主語が「あなたは~」となっている二人称だという点でも話題になり、発売当時に買ったのですが、ずっと積読にしていました。


 『86』や『りゅうおうのおしごと』で有名なしらびさんのイラストも綺麗で印象的ですよね。


◆タイトル『図書迷宮』

◆作者 十字静

◆イラスト しらび

◆レーベル MF文庫J

◆発売日 2017/10/25


◆感想


 「図書迷宮」とは、本の迷宮で、ありとあらゆる本が並ぶ無限の遺跡書庫。


 主人公は五年前に殺された父親の死の謎を追って図書迷宮にやってきて、何者かに襲われ、銀髪の吸血鬼に命を助けられる。


 しかし主人公の記憶は八時間しか持たない。彼は記憶を保管する本を手に、失われた記憶を取り戻そうと奔走する――というお話。


 いや……凄かったです。


 読み終えて少し呆然としてしまいました。


 珍しい二人称小説で、しかも凄く分厚いというのは知っていたんですが、それ以上に驚いたのがストーリー。


 謎と緊迫感に満ちた導入から一転、可愛いラブコメになったかと思いきやラストの怒涛の展開。


 二転三転するストーリーに、脳みそがねじれるような、文字通り記憶の迷宮に迷い込んだような気分にさせられました。




 皆さんも是非、主人公と吸血鬼の壮大な恋物語を味わってみてください。





◇迷宮と言えば……


・『異世界迷宮の最深部を目指そう』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885969256/episodes/1177354054886102124


◇吸血鬼との恋と言えば……


・『ヴぁんぷちゃんとゾンビくん』空伏空人

https://kakuyomu.jp/works/4852201425154981924

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