鴉と私(三人目)

 私の生きがいの一つ。

 それは鴉にパン屑を恵むことだ。

 一つ言っておくが、私は山奥に住んでいる。間違っても近隣住民に迷惑など、かけていない。

 それにしても……お前達は、どうしてそう自由なのだろうな?

 お前達からすれば日常だろう、それは。

 けれど私からすれば、それは手に届かぬ夢。

 そう、とうに足腰を痛め、自由を奪われた私にとって、お前達の存在は輝かしいものだ。

 たとえ体が、漆黒であっても、な。

 さて、またギャアギャアという鳴き声だ。

 私はパン屑を詰めたビニール袋を手に持ち、ベッドのすぐ近くの窓を開けた。

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鴉と私 有原ハリアー @BlackKnight

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