05 歌を忘れたカナリア/紺藤 香純 さま
久里です。
気づけば、六月も気づけば中旬。はやすぎますね…(;''∀'')
現時点で自主企画に参加くださっている&条件を満たしている作品は、全て拝読させていただきました…!(もし抜けがあったら申し訳ございません…! 後でもう一度念入りに確認いたします。)
相変わらずスローペースで申し訳ございませんが、こちらのノートの方も地道に進めていく予定ですので気長に待っていただけたらと思います…!<(_ _)>
それでは五本目。
今回紹介させていただくのは、紺藤 香純 さまの作品『歌を忘れたカナリア』(https://kakuyomu.jp/works/1177354054885980690)です!
『大木絵美は、介護職員として働く26歳。高校のクラス会で、介護職であることをネタに吊し上げられていたところを、見知らぬ男性に助けられる。逃げるようにその場を後にした大木を、その人は追いかけてきて、こう言った。
「ふたりで飲み直しませんか?」
童顔で、バリトンボイスで、大学に通う28歳(元・介護職)の男性が、大木は気にかかる。』
こちらのお話は、「働く人コン」の参加作品「それでも、ケアをさせて頂きたい(https://kakuyomu.jp/works/1177354054882460050)の中の「歌を忘れたカナリア」の章を短編に再編集したものとのことです。
恐縮ながら私は本編の方は未読でしたが、ひとつの物語としてきちんとまとまっているので、この短編だけを読んでも違和感なくすとんと胸に落ちてきました。短編という視点から見ても非常に秀逸な作品だとおもいます。
あらすじにもある通り、テーマは【介護職につきまとっている悪意に満ちた偏見】。扱うテーマが深刻なだけに、はじめの雰囲気はシリアスで重ためです。しかし、読後にはすっと光が射してくるような爽快感が訪れる作品です。
個人的な話をすると、介護と聞くと、教職を取るための必須科目だった介護体験実習を思い出します。一週間足らずという短い実習期間の中で、何かが学べただなんてそんなおこがましいことは言えません。それでも、施設の空気感だとか、熱心に人と人が対峙して向き合っている姿だとか、なんとなく心に残っているものもあります。今にして思えば、中々経験できない貴重な体験だったんだなとしみじみ思ったりします。
哀しいことに、実際、介護に対して暗い偏見を抱いている人もいるのが実情なのだと思います。浅い知識から組み立てあげた勝手なイメージだけで、侮辱してしまう人たち。本当の意味で、全ての人たちから偏見を拭い去ることはきっとできないんですよね。
でも、端的に言ってどうしてなんだろう、とは思います。
だって、人間として生まれてきた以上、いつ、自分が介護のお世話になる立場になるのかも分からないじゃないですか。人間ならば誰しもが抱えている宿命と真っ向から真剣に向き合っている仕事を、どうして馬鹿にしたりできるんでしょうか。
綺麗ごとばかりではないけれど、眼を逸らさずにきちんと向き合っている。
凄い仕事だな、と思わない方が不思議です。
いつの間にか個人的な【介護】関して思うこと語りになってしまいました。お恥ずかしい…:(;゙゚''ω゚''):
気を取り直しまして。
この作品の主人公である大木さんは介護職に就いて日々懸命に働いております。
親の余計な計らいによって久方ぶりに高校のクラス会に顔を出すことになった彼女。そこに待っていたのは、正に、介護職へつきまとう悪意に満ち満ちた偏見。
これでもかというほどに嫌な思いをさせられて、それでも、気の弱い彼女は口を噤んで俯いてしまう。
そこに現れるのが、本作のイケメン。
彼女のピンチに、どこからともなく颯爽と現れる。
初っ端から紛うことなきイケメン属性を兼ね備えている彼こそ、童顔なのにバリトンボイスと素敵なギャップが魅力的な
26歳の彼女に対して、彼は28歳!
年下かと思ったらまさかの年上。
こんなところにもちょっとしたギャップが見えて素敵です。目敏く発見してほおが緩みました(〃▽〃)
逃げるようにして店を出てきた大木さんを追いかけてきた後藤さん。
二人で飲みなおすことに決まるのですが、このお洒落なバーでのシーンにときめきまくりでした!!!(叫び)
真面目な雰囲気の彼ですが、意外とあざとい一面も浮かび上がってきます。笑
こんなこと言われたらドキドキしちゃうよ~~!! とか。
このつかめそうで掴みきれない感じ! わー、なんなの勘違いしても良いの!?というかするよ!? とか。(うるさい)
こんなにも酔っているのは、きっと、お酒のせいだけではないんだよなぁ。とにやにやしながら、脳内が妄想で満たされました。(そろそろ黙ります。)
真面目で誠実に頑張っている人が、ここぞという時に発揮するあざとさっていいなぁ。そんなことを思いながら読ませていただきました。
ひたむきに頑張っていたら、ちゃんと見ていてくれる人もいる。
そんなことを思えるあたたかいお話でもありました。
あと、作中で引用されている詩もすごく美しくて、これが作品の雰囲気をロマンティックに盛り立てているんですよ。もともと存じ上げていなかったのですが、元ネタの方にもものすごく興味がわきました…!
そろそろ収拾がつかなくなってきたのでこのあたりで…!
素敵な作品をありがとうございました!(*´▽`*)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます