第1話
男は日本有数の規模の私鉄である中央鉄道のCIO、酒井陽介であった。男はすぐさま社長に役員会の招集を求めるため、走り出す。
--社長室
酒井は、社長に事情を話し、緊急役員会の招集を求める。しかし、男が話し切ることはできなかった。最悪どのような事態が起こり得るかを説明する前に、
「そんなことでうちが潰れるか!そんなに心配ならシステム課でどうにかしとれ!」
と一喝され、もう最早手の尽くしようがなかったのである。
システムルームに戻ると、そこには部下一同が整列していた。
「CIO、弊社業務システムの多くが操作できなくなっています!幸いなことに列車運行システムは動いておりますが、予約系統が全て落ちました。また、運行系サーバーも現在、激しい攻撃を受けており、列車運行の処理が遅くなりつつあります!どうなっているんですか!」
彼は考える。現在正直に状況を伝え、それが良い結果をもたらすのかと聞かれると、Yesと言い切れなかったしかし、伝えずこれ以上悪い結果を作り出すわけには行かないのである。男は全てを正直に伝えた。社長が取り合わなかったことも。
「すまん。俺ら役員はもうどうしようもないんや。今から、緊急会議を行う。社長許可は下りへんが、俺から許可を出す。山下と
1時間で全てを決める。これが全てであった。
つづく
崩壊する巨壁 川緒 文徳 @Mineral_On_the_edge
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