崩壊する巨壁
川緒 文徳
プロローグ
男は青ざめていた。彼の目の前にあるディスプレイには、Webメールの画面とコマンドラインの白い画面が表示されている。男に直接届いた見知らぬアドレスのメールは、彼の会社を揺るがしかねなかった。
---御社のシステムにつきましては、私ども[
男は社用PCから管理画面を開き、ログインを試行した。SNSなんかというわけのわからない団体に乗っ取られてたまるかという一心であった。
男は絶望した
いくらログインIDとパスワードを入力してもログインできないのである。それだけではない。機関部分に当たるシステムは、彼にしかログインできないのであったが、そこさえも乗っ取られているのだ。証拠に、システムの名称[The World Ver.2]が[QWERTY]になっているのだ。
まさか、これだけでも大事件だというのにこのあと更なる悪夢が待ち受けているとは、男は思いもしなかったのであった。
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