生きることは死ぬより辛い

@aobon

人はなぜ生きるのか

私は今30代。

家族は妻と子供2人。

毎日死ぬ事をひたすら考えている、、、

なぜまだ生きているのか

なぜ死ねないのか、、、。


幼少期、家族は父と母、兄弟は4人だった。

普通に見えるかも知れない。

自分たちには普通だった。


幼少期の記憶の中、父と母は喧嘩をしていた

正確に言えば父が母を殴っていた。

怖かった。父が怖かった。


大きくなったらやりかえす。

絶対殴ってやる。私はこの頃から自分の中にもう1人作っていた。

死にたい1人、やり返す1人。


小学生の頃

父と母は離婚した。

兄弟は母親と祖父母と暮らすことになった。

なぜだ、なぜ母親は殴られてばかりなんだ。

優しいお母さんなのに、、、

祖父に殴られ、祖母に言葉の暴力。

可哀想だった。

ただ怖くてなにも出来ない自分。

守れない自分が許せなかった。


母は兄弟を置いて家を出て行った。

母親を恨む事はなかったが、祖父母には憎しみが生まれた。

母親は時々、近くのパチンコ店にいた。

たまにお小遣いを貰うために点々と探したこともあるくらいだ。


母親が笑うと自分も嬉しかった。


中学生の頃だろうか、母親は男と暮らしていると祖父母から言われた。

お前らも出て行って、そっちで暮らせと。

追い出されるよりも嬉しさの方が大きかった。

また一緒に暮らせる。


今考えれば正解だったのか分からない、、、



部屋は1DKの6畳、そこに兄弟3人と母親、たまにいる男である。

普通の生活が出来るレベルではなかった。

母はまともな収入もなく、男とはギャンブルの仲間だった。


ある日、

電気、ガスが泊まり、生命と言われる水も止まった。家にはロウソクが置かれ、水は近くの公園でペットボトルにためて持って帰った。トイレットペーパは、通学用バックを持って、スーパーのトイレから何個もあつめた。犯罪とわかってた。バレなきゃいい。

そんな生活を半年程していたと思う。


中学生でも学校には行かず、毎日ゲームセンターで朝から夕方までいた。

そこには自分の居場所があると信じていたからだ。誰にも怒られず、殴られず、楽しいことだけ考えていた。


今考えればこの時は死ぬ事を考えていなかった。


普通に学校に行って勉強して毎日を過ごしていれば、、、あの時も、、何度も考えた。


中学を卒業して家を出た。

自分が働いて自分の好きなように生きる。

お金は好きな様に使う。


考えが甘かった。

働くのはとても辛いけど、給料がはいれば好きな物が買える!と信じていたからだ。

実際は家賃、光熱費と携帯代金のみ払って残ったお金は軽食に使える程度だった、、、


給与日は嬉しいはずなのに涙がでた。

こんなはずじゃなかった。

好きな事をする為の生活だったのに、仕事の為に生活していると感じてしまった。


仕事の為の生活なんていらない。



そう考えるうちに仕事もやめた。

ただ悪い事だけではなかった。

お金の仕組みがわかったからだ、どう稼いでどう使う、生活にはこれだけ必要。

社会人になって初めて分かる事がたくさんあった。


歳を重ねて家族も増えた。

一家の大黒柱だ。


仕事もいろんなことをした。

接客、力仕事、営業、事務、軽作業。


ただ長続きはしなかった。

なぜ自分は続かないのか、どうしてみんながやっている事が出来ないのか?

自問自答を永遠繰り返した。

…なんでいつもそうなんだよ。

…みんなやってんじゃん。

…それじゃダメだろう

…生きてる価値ねーだろ


ある人に言われた言葉が今もハッキリと覚えている。

「死ぬ気になればなんでも出来る」


分かっていない。分かってくれとも思わない。ただ、自分には無理なんだ。

…なにが無理なんだ?

わからない。


自分にもわからないんだ…


…家族もいるだろ?

…なんで家族持ったの?

…幸せにしろよ!

…お前の子供、同じ目に合わすのか?

…出来ない事1つ1つ減らせよ!

…やるしかねーだろ?

…逃げんじゃねーよ

…あまえんなっ


ごめん。本当にごめん。

こんな父親でごめん。

こんな男でごめん。


自分が生きてる事で周りに迷惑かけてごめん


死にたい。死にたい。



必死に生きてる人、必死に生きようとしてる人、本当にごめんなさい。


死にたいなんて簡単に言ってごめんなさい。

この世の中の人ごめんなさい。


それでも私は「死にたい」

…じゃ死ねよ

出来ない。

…は?

家族がかわいそう。

…?

怖い

…じゃあ頑張れよ

無理。


もう何年だろうか、病院いっても自分の事は理解されないし、されたくもない。


恐らく私は死ねないのではないか。

死にたい反面、生きたい自分がいるから。


死にたいのに生きたい。

そう、これが今の私だ。


ただ死ねる時もあるのだ。

寝ている時の、夢で。

くだらないと思うかもしれないが、

私が1番好きな夢は死ぬ事だ。


息が止まって視界がゆっくり狭まる。

「あぁ死ぬ」あの感覚は忘れらない。


私と同じような人間はいるのだろうか。


死ぬ人間と生きる人間の狭間。


私はどちらの人生を歩むのであろうか。


ただ人はいつかは死ぬのである


早いか遅いかの違いしかない


後悔はしたくない…








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

生きることは死ぬより辛い @aobon

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ