第8話
教室から出ると野々原がいた。目が合った瞬間大きな目でにらみつけてきた。おお、目が零れ落ちそうだ。
「ちょっと、菜穂を困らせてないでしょうね?」
「は?困らせてなんかないっすけど」
おっと、思わず敬語っぽくなっちゃったぜ。いや、俺はむしろ助けてるんだと思うんだけどな。
「ほんと?」
「も、もちろん。」
ひぃ~~~~こえ~。こんなににらまれてシラを切らせるほど肝すわってないです、俺!で、でも、もしかしてもしかすると、野々原は新原さんの悩みを知ってる?だからこんなに心配してるのか?だとしたら・・・
「なぁ、新原さんは、一体何に悩んでるんだ?」
「は?あんたに関係ないでしょ!」
ですよね~。そして野々原は俺の足を勢いよく踏んづけていった。な、なんでだよ!
「い、いってぇ~~~~!!」
誰もいなくなった廊下で、俺は一人悶絶するのであった。
CUT~今日も彼女のカウンセリング中~ 若葉 おれんじ @wakaba_orange
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