06 メープルよりも甘い味/紺藤 香純 さま

 突然ですが、メープルシロップって家にあります?

 よほどのパンケーキ好きなご家庭なら常備されていたりするんでしょうか。

 我が家はパンケーキを焼いても蜂蜜で代用しちゃいますが、メープルシロップの方がさらっとしている分パンケーキに染みこみやすいですよね( *´艸`)

 香りもまた蜂蜜とは違う香ばしさで、バターとも相性がいいと思います。


 なんとなくスペシャルなメープルシロップ。

 そんなメープルシロップよりも甘いショートストーリーがこちらになります♬


『メープルよりも甘い味』

 紺藤 香純 さま

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054885933316


 イケメン度:★★★★☆

 イケメン属性:優しいしっかり者系イケメン、安定系イケメン


 *・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆*・゚・*:.。.*.。.:*・☆


 とりあえずどんなお話かの概要は作者様の紹介ページから抜粋させていただきます。


「長野市に暮らす“彼女”は、市役所職員の“彼”と交際しております。

 自分は彼と住む世界が違う存在なのに、と自律しようにも、彼を慕う気持ちが止まりません。

 叶うならば、彼と添い遂げたい……それは、叶うはずのない願いなのに」


 このあらすじからは、ちょっと切ない物語なのかな? という印象を受けますね。

 確かに、主人公の楓ちゃんは恋人である勇貴君と人生を重ね合わせることができません。

 なぜなら、彼女は人外の者だから。


 実はこのお話、作者様の別の作品『もみじな彼女と平凡な俺と』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054885780287

 の “彼女” 視点のスピンオフなのです。


 そちらの物語については未読なので、例によってこの短編だけの印象を語らせていただくと、生きる時間軸の違いや住む世界の違いに悩みつつも、楓ちゃんも勇貴君もお互いのことを純粋に好きなんですよね(*´∀`)

 二人の甘さがまるでふんわりパンケーキにしっとりと染み込むメープルシロップのようで(上手いこと言った)、なんだか幸せな気分にさせてくれるのです。


 さて、この作品に登場するイケメン、勇貴君について触れましょう。

 29歳、市役所勤務=公務員の彼。年齢的にも職業的にも安定感のある印象ですね!

 世話好きのおばちゃんが聞いたら速攻でお見合いをセッティングされそうな気がします(笑)

 そんな勇貴君、初登場の出で立ちも「細身且つ長身に白シャツと薄墨色のスラックスが似合っております」と楓ちゃんが評しているとおり、外見もまた落ち着いたイケメンのようです。

 これはもうおばちゃんならそこらじゅうの適齢期の娘さんに勧めまくりそうな好物件です!(笑)


 そんな良く言えば落ち着いた、悪く言えば地味そうな彼ですが、囁く言葉は意外と大胆♡

 着物姿の楓ちゃんの耳元で『秋の帯も綺麗だね』と囁いたり、怪異に襲われていた幼児を助けようとしたり(それが二人の出会いのきっかけとなったようです)と、やる時はやる男といったポイントもしっかり押さえております。

 これはもうおばちゃんも(以下略)


 そんな素敵な恋人、勇貴君とその晩に会う約束をしていた楓ちゃんですが、勇貴君のアパートに向かう途中でちょっとしたアクシデントに出くわしてしまいます。

 パニックになった彼女を勇貴君が助けるのですが、その助け方もまた甘い!

 公衆の面前でお互い抱きしめ合うシチュエーションも甘い!

 外食先へと向かう車の中でも(以下略)


 そんなこんなで甘々な雰囲気のまま、二人はお洒落なレストランで夕食をとります。

 ここでも楓ちゃんをさり気なく気遣う勇貴君の優しさがふんわりと描かれています。

 飯テロ描写も挟まれ、二人の食事風景に引き込まれた時に、惜しみなく注がれる愛情に戸惑う楓ちゃんに勇貴君がとっておきの殺し文句を放つのです。


 インパクトあるその言葉。

 彼の覚悟のすべてがその一言に込められているようで、甘さの中にも芯の強さや情熱が込められています(*^_^*)


 できることならば彼と添い遂げたい。

 無理だとわかっていながらもそう願わずにはいられない純粋な楓ちゃんと、楓ちゃんをとても大切にしている勇貴君が末永く寄り添えることを祈らずにはいられません。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る