05 仁科医院の犬/猫田芳仁 さま
BL系が二作続いたところで、一旦ノーマル系イケメンの鑑賞にいこうかと。
(ノーマルなのか? これ……)
動物にたとえられるイケメンっていますよね。
魅力的な女性キャラがよくたとえらえるのは猫が多いイメージですけれど、男性の場合はわんこが多い気がします(*^_^*)
男性の場合、気まぐれな女の子が自分だけに甘えてくれたり、落とせなさそうな女の子が落ちたときの達成感(?)が嬉しいから、猫系女子が人気となるんでしょうかね。
方や女性は一途に愛情を注いでくれることを望んだり、母性本能を刺激される従順さや可愛らしさを求めるからわんこ系男子が人気なのかも、と分析してみました。
今回ご紹介するイケメンは、そんなわんこ系イケメンとなります!
『仁科医院の犬』
猫田芳仁 さま
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885895770
イケメン度:★★★★☆
イケメン属性:ハリウッド系イケメン、わんこ系イケメン
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作者さまの書いた作品紹介ページに「オチなんてないよ」とありますとおり、ちょっと不思議なふわっと軽い物語ですね。
なかなか珍しい二人称視点で書かれており、「キミ」と語られることで自分が物語の主人公「アキラ」に転生したかのような気分になるのですが……。
この「アキラ」の背景はまったく語られず謎のままです。
どうやら後輩(何の?)を連れて闇医者(なぜ?)を訪れたらしいのですが、後輩の診察を待つ彼は不思議な人物を見つけます。
アキラの方をじっと伺う彼はサングラスの青年なのですが、ハリウッド俳優のようなイケメン西洋人なんです!
「髪よりやや濃い色の眉が不安げに寄せられているのをどうにかすれば、より美しかったろう」とあります様子から、彼がかなり警戒しているのが窺えるのですが、そんな様子もわんこっぽくて思わずくすりとしてしまいます(*^_^*)
「派手でいて下品過ぎないスーツに身を包んでいる」あたりも、俳優っぽい雰囲気がありそうですね!
そんな彼の存在に気づいたアキラは彼を傍に呼び寄せます。
意外と素直に来ちゃうところもわんこっぽい(笑)
「その男は人種を差し引いてもめちゃくちゃにひょろ長かった」とあるので、痩せているのには何か理由があるのか、栄養状態がよくないのだろうか、はたまた病弱なのだろうか、と気になりますが、その答えも謎のままです。
そして、日本語が片言の彼とアキラはコミュニケーションを取り始めるのですが、そのやりとりがなんだか軽妙でほっこりします(*´▽`*)
そのやり取りからわかったのは、彼が「リッチー」という名前のアメリカ人であることと、日本に来て半年くらいであること。
そして、ここの闇医者リョーコ先生の「犬」であるということなのです。
恋人なのかという問いには「No!」ときっぱり否定しているので、ますますその関係性が気になるのですが、日本語の不自由なリッチーにはその微妙なニュアンスをもつ関係は説明できないのかも……と思ったり。
最後にはリョーコ先生も登場してリッチーとのやり取りのシーンがあるのですが、その雰囲気もまさに犬と飼い主!!
この二人、どうなってんだろう……??
設定に余白が多く、シーンを切り取ったようなストーリーなので妄想の余地がたくさんあります。
かと言って描写が雑ということではないので、二人称を使うあたりからも作者様が読み手なりの想像を働かせる空白を敢えて作ってらっしゃるのだと感じました。
妄想するのももちろん楽しいのですが、実際に彼らの背景や関係性が明らかになった上でのストーリーも読んでみたいなと思う欲張りな私でした(*´艸`)
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