銀翼の魔女

第56話 ゲオルグ達の元へと向かった。

 ノリトはエストに案内され、ゲオルグ達の元へと向かった。

エストの後を歩き城内を移動してゆく。


相変わらずの違和感、ある程度の年齢の者だけが、一瞬驚きの表情を見せる。

「(やはり…… 此方を見て驚く様だが。 なにかあるのか? )」

その様な光景が、昨日に引き続き数度繰り返されていた。


二人は暫く城内を異動する。

目的の場所に着いたのだろうか? だが、案内された場所は昨日来た執務室とは違っていた。


重厚な石造り? の様なドアをエストがノックする。

符牒ふちょうなのだろう、数度リズミカルにノックをしていた。

やがてドアが開く、そこには誰も居ない様だがエストに促され入室する。

背後でキ~ィ、バタンッ と音がした。

どうやら入室と同時にドアが閉まった様だ。


そんな事にも構わずノリトは辺りを見回す、特にこれと言って変った風では無い。

唯の空き部屋・・・・であった。 広さは八畳程度だろうか。

エストは此方を向き

『もう少しお待ちください。 ここから飛びます・・・・ので中央の円の中から出ないようにお願いします 』

床には魔法陣の様な物が描かれていた。 中央には無地の円だけがある。


飛ぶ・・ 」

次元移動デメンションムーブかな?


次の瞬間視界が切り替わった。

造りは同じ様な場所だが、扉の向きが違った。

先程は背面にあった筈だが、今は正面にある。

良く見ると、扉にも文様が描かれていた。


『此方へおいで下さい。 あの扉の向こうが目的地です 』

エストに促され、扉へと向かう。

扉の横の壁には、魔法陣が描かれた金属製のプレートが埋め込まれていた。

今度はノックではなく、エストがプレートへと手を翳した。

キ~ィ、という音と共に扉が開いた。

エストは、その先へと進むようにノリトに促す。

扉を潜ると絨毯が敷き詰められた部屋だった。


円形のテーブルに六個の椅子が等間隔で置かれている。

その二つにゲオルグとアイギスが座っていた。


エストがゲオルグへと

『ノリト様をお連れ致しました 』

そう言って頭を垂れる


『エストよご苦労であった。 

そなたもそちらへと座りなさい。 そなたの事もあるのでな 

ノリト殿も済まぬな。 この様な場所で無ければ、話せぬ事があると理解して頂きたい 』


『そうですな。 色々とその辺も説明させて頂きましょう。

さあ、ノリト殿、 そちらへお掛け下さい 』

アイギスはノリトへと着座を促した


「はい、お気遣い有難う御座います 」

そう答えゲオルグの正面の位置、下座へと着座した。


『はい、申し訳御座いません…… 

同席させて頂きます 』

エストも一礼しながらノリトの左隣へと着座した。

丁度アイギスの正面になる。


やはり、内部に問題があるのか。

その辺も聞けると良いのだがな……

ノリトは二人が話出すのを、椅子に深々と座り暫し待つのだった。

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