第57話 先に話し出したのはゲオルグであった。
先に話し出したのはゲオルグであった。
その内容は毒の問題である。
『ノリト殿、先ずはフローラの事を助けて頂き感謝に絶えぬ。
この通り、礼を申す 』
そう言うと深々と頭を下げ、続く言葉をノリトへと告げる
『フローラの病の原因と思われるモノに関して、力を貸して頂きたいのだが。
どうであろう? 』
「陛下、まだ完治してはおりませんよ。
其処まで信用して頂けるのは有り難い事なのですが。
まずは、三日後にフローラ様とお会いしてから判断して頂きたいのですが 」
ノリトは少し戸惑った、この短時間の出来事でここ迄信用される事に。
何かあるのだろうか? と逆に疑いたくもなると云うものだ。
恐らくは、そんな事は無いのだろうが。
『いや、そうではあるのだがな。
実はな、
一両日中の命と言われておったのだよ。
それが、今は
その事だけでも奇跡であり、信ずるに値すると思っておるのだよ。
それに、
フローラの生命力が活性化しており、徐々に増大しておるとな。
即ち、絶命の危機を脱したと言う事だ 』
ゲオルグは
「そうですか。 生命力と言う物を可視化できる能力。
その様な方が居られるのですね。
まあ、その件は良いでしょう。
では、力をお貸しすると言うのはどう言った事でしょうか? 」
ノリトは正面へと座る二人へと質問を投げかける。
ゲオルグがアイギスへと視線で促すと、アイギスが語り出した
『ノリト殿、此度の件ですが…… 非常に大きな問題が含まれております。
と言うのも、王族とそれに仕える特定の者には、毒の無効化アイテムを貸与されておるのです。
しかし、それが紛い物となると…… 十年前のアーサー様の死にも疑義が生じるのですが。
それは、この国への侵略行為に等しく、当然の事ながら、決して看過できる事では無いのです。
内部に深く…… 十年以上も
それと、エストの母親の事も絡むような事態に発展するとなれば、彼の国の仕業が濃厚となりましょう。
色々と面倒な事になるやも知れません 』
「アーサー様の死、それは私も疑問に感じた事です。
そして、調べる事は可能ですよ。
その場所を教えて頂ければ簡単です。
墓暴きと言う事ではないので御安心ください。
そこを見せて頂くだけで調べがつきますから 」
ノリトは提案を申し出た。
そして、これは色々と忙しくなりそうだと……
一人では無理か? 次は
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