第50話 その頃ミオ達はと言うと。
その頃ミオ達はと言うと。
「シャルル様にアルフォンス様、隣の部屋へと参りましょう。
そちらからでもこの部屋の様子は見えますので 」
何時までも立っていては疲れてしまうだろう。
恐らくは、一日中ここに居るつもりであろう事が窺える。
この場所は、元々が再生医療機器のオペレーター以外が入室するような場所では無い。 ストレッチャーなどが入れるだけの広さはあるのだが、流石に見舞い客が長く居る様な場所では無いのだから。
『ミオ様、……判りました 』
アルフォンスと顔を見合わせ、渋々と言う感じではあるが了承して貰えた。
「では此方へ 」
ノリトの用意したユニットは、そこそこの規模の物であった。
初めて見たアイギスが見上げて冷や汗をかいていたのだから。
一夜…… いや、一瞬の内に20フィートコンテナ9個分の建物が現われたのだ。
8個の内訳は、温泉ユニットX2、ドックユニットX1、メディカルユニットX2、
ドックユニットは
ハウスユニットは、その名の通り居室や会議室などの集合体であり、キッチン等も完備している。
ミオはメディカルユニット内に設置された休憩室へと向かった。
ここはに三名程度なら寝泊り出来るほどの設備がある。
収納式寝台とテーブルセット、集中管理モニター等も設置されている。
本来は医療スタッフなどが常駐する際に使用される場所だ。
簡単な食べ物や飲み物なども、メッセージ一つで取り出すことが出来る。
其々のユニットは連結する事で、個々の機能を何処からでも使用することが可能になる。
軽食等は温泉ユニットやハウスユニットのサーバーより、各ユニット連結時に繋がったシューターによって運ばれてくる仕組みだ。
「お二人と、気が張っていませんか? お気持ちは判りますが、それでは身体が持ちません! あと三日でお会いできます。
その後はお二人にはリハビリにご協力頂く予定です。
だから、ご自身の健康も気遣って下さい!
そういう事で。
まずは、此れを召し上がって下さいな。
冷たい飲み物とケーキと言うお菓子ですが、ケーキって判りますか? 」
ミオは良くある物語の様な展開を期待した。
「ケーキ? ですか…… 存じ上げません。
こちらでは、お菓子と言うと穀物の粉を練った焼き菓子等になります。
後は、果物等を煉り込んだパンと言う物はありますがこの様な物は見たことも無いですね。
ところで、この白いものは何でしょう!? へっ! 」
上に載った白いモノをスプーンで掬いとり口へと運んだ。
口へと含んだ途端、シャルルは目を見張った。
フワフワで甘く、滑らかな白い物…… ホイップクリームに!
「こ、この果物は…… 酸味があるのに、甘く…… この白い物と合わさると! 」
アルフォンスもイチゴとクリームを一口頬張ると、フォークを持った手が止まった!
と言うよりも、固まったと言う表現が適切だろうか。
ミオは心の中で叫んだ!
「(異世界のお約束が来たね! ) 」
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