第46話 ゲオルグ達は女医の説明を黙って聞いていた……
ゲオルグ達は女医の説明を黙って聞いていた……
と言うよりも、判らぬ単語が多かったために質問が出来なかったと言う方が正しいのだが。
「陛下、簡単に言いますと、毒物により損傷した部分を元に戻し、以前の健康な姿へと戻すと言う事です。
三日程で以前の状態へと復帰しますが、突然元に戻る訳ですから身体を動かす感覚にズレが生じます。
そのために身体と感覚のズレをこちらの設備で慣らすのに二週間ほど必要になります。
これは、長きに渡り病床に臥せっていた為です
お判り頂けましたでしょうか? 」
『ノリト殿、治ると言う事で良いのか…… フローラが治ると…… 』
ゲオルグは言葉を詰まらせた…… 目には涙が。
『ノリト様、母は以前のように…… ウグッ…… 』
アルフォンスが涙を流す
『もう、母を失う不安に苦しまなくて良いのですか?
母と以前のように暮らせると、これは夢では無いのですか…… 』
シャルルがノリトへと問う
「はい、間に合って良かったです。
あと二日…… 遅くなっていれば助けられたかは判りませんでした。
次に皆さんがお会いする時は、以前のお姿だとお約束しますよ 」
ただ、アイギスだけが難しい顔をしていた。
『ノリト殿、先ほどの説明では
アイギスの疑問は尤もであった、何故なら毒物無効化の魔導具を身につけていたのだから。
それが擬い物であったなら……
「間違いは有りません。 水銀による
その答えにゲオルグが反論した
『だが、我らには毒の無効化アイテムある。 毒は効かぬはずだが 』
「完全なる毒物の無効化ですか…… 本当にあるのですかね?
私はお聞きした時から疑問なんです、そんなに都合の良い物があるのか? と 」
『無いと申すのか? だが我らはこの魔法具を持っておる 』
指に嵌められた紅く輝く指輪を示した
ノリトはその指輪を眺め己が推測を語った
「これは、私の推測なのですが、その指輪は
毒物とは様々な種類があるのですよ。
少量なら摂取しても問題の無い食物などもあるのです。
其れ等全ての無効化など、本当に夢や神の御技ではないでしょうか 」
『では、紛い物だと申すのか? 』
ゲオルグは目見開き問う。
もしそうなら、アーサーの死にフローラの毒殺未遂と捨て置けぬ事実がある。
「先程の推測が正しいのなら、体内に微量に蓄積していく毒素は防げない事になります。
その仕組みを知っているモノの仕業でしょう……
ただ、本当に全てを無効化する物も、存在するのかのも知れませんね。
今あるものは、その
『入手経路を調べる必要があるのだな? 』
ゲオルグとアイギスが頷きあう、何か思う所があるであろうか
「恐らく。 その魔法具の入手先に、敵のヒントがあると思いますよ 」
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