第45話 ノリト殿、フローラは何処に?

 ドクターの「処置を開始した」との連絡と同時に、ゲオルグ達がメディカルユニットへと到着した。

まずは現状の説明が必要だろう。


『ノリト殿、フローラは何処に? 』


「陛下、今この奥で治療を開始したところです。 

早速、皆さんをご案内しますね。

 

 それと、この奥にもう一人女性・・が居ますが、その者はではありません。

医療行為に特化した人造人間アンドロイドと言う者になります。

この医療ユニットその物が擬人化・・・した者だと思って下さい 」


『人では無い? 擬人化・・・した者…… 』

ゲオルグ達は何と無くだが、今のノリトと同じ身体の者が居ると受け取ったようだ。

 

ノリトは、再生の揺り籠リジェネレーション・クレイドルの設置された、奥の部屋へと皆を案内する。

ドアを潜ると、ドクターと呼ばれる医療用人造人間アンドロイドが出迎えた。


フローラの現在の状況をドクターが皆に説明する。

「先程より、フローラ様は再生の揺り籠リジェネレーション・クレイドル内で再生治療を受けております。

治療完了は現在より大凡七十二時間後の予定です。

完治まで・・・・に三日ほど必要にると言う事ですね。

 

 簡単に治療工程を御説明しますが、御質問は説明の後にお願いします。

まず、現在のフローラ様の身体的状況ですが、後数日治療が遅ければお亡くなりになっていたと考えられます。

主な原因は重度の重金属アレルギーによる身体異常、内臓器官障害などの毒性症状・・・・になります。

中枢神経・内分泌器官などに障害をもたらしており、口腔・歯茎・歯にも損傷を起こしておりました。

いずれも、体内に蓄積された重金属、多量の水銀を体内へと取り込む事により発生したものです。


まず、体内の毒素の排出を実施します。

その後は、損傷した各種器官の再生を行ないます。

毒素の排出は後二時間ほどで完了し、体組織の再生へと移行します。


体組織の再生ですが、平均年齢と走査結果に基づき発病前の状態を予測、その状態へと再生いたします。

再生完了後は身体との感覚に差異が発生する事から、二週間ほど掛けて【生活に適した状態への復帰リハビリテーション】を実施致します。

それまでの期間は、こちらの施設で生活を行なって頂きますので、御理解のほど宜しくお願いします 」

ドクターは優雅に一礼した。


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