第26話 簡単で悪いが、カルボナーラにしてみた 

 ミオが座る席へと食事を配膳する

「さあ、召し上がれ。 今日は簡単で悪いが、カルボナーラにしてみたよ 」


「にょぉ~! 相変わらず、ノリトの料理は美味しそうだねぇ 

いっただきまぁ~すぅ! 」


そう叫ぶとフォークで皿へと挑みかかった! 

「にゃ~ぁ! おいしいにゃぁ~! 」

とミオが叫ぶ。


「静かに食べなさい! 」

ミオがノリトに叱られる


「はぁ~いっ 」

ノリトはミオを眺め、既に暗くなりつつある空を見上げた。

星が煌いている……


ノリトは溜息をついた。

「やれやれ…… 随分と濃い一日だったが、異世界とはな。

まあ、ありえると言えば、そうなんだろうが。

大体……ドーラ・E・モン・ターニュHide/ハイド自体が異世界人と言っていたからな 」


ミオはカルボナーラを頬張りながら

「もごもごっ……そぉうょねぇ。 ゴックン!


ドーラはゲートの先からやって来た・・・・・と言っていたものね……

それにしても……あんっの、バッカ野郎は知っていたのかなぁ!? 」


ユダ十三席次か……恐らくは知っていたのだろうな。

ゲートへ落ちたら異世界か……。 

戻ったら奴に色々と聞かなきゃな。 


だが、あの瞬間に確かに言った、

【おれは、彼女・・の所へは行けなかった。

違う場所……ゲヘナ・・・に落ちてしまった 】 

と、あれはどう言う意味だ 」


「……彼女って誰かしらね? 何人か戻らなかった子は居たけど 」


「今は、考えても仕方ない事だ。 それよりも、この世界でどうするか 」


「まぁ、なるようになるんじゃない? 暫くはノンビリしましょうよ 

此処は敵地・・では無いでしょうから 」


「まあ、そうだな。 深く考えるのはやめよう 」

確かに、敵地・・では無いと思う。

何と無くだが違和感があるのは確かだ……

それは国王陛下や神官長からではなかった。

もっと、別の何か……

恐らくは、騎士団と一部の魔法師が関わっているのだろう。 


「ご馳走様でしたぁ~! 美味しかったにゃぁ~! 」

ミオは満足し笑顔でお礼を言う


「じゃぁ、片付けてる間、此れを飲んでいてくれ 」

ノリトは、ミオへとフレッシュジュースを勧める


「いただくね 」


ノリトは片づけを済ませ、夜空を眺める。

一日を振り返り、思考の渦に飲み込まれようとしていた。


その時、ドアをノックする音が室内に響く……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る