第3話 何が正解かも判らぬのだよ。

『済まぬな。 今回の事は判らぬ事が多く、何が正解なのかも判らぬのだよ。

だが、神託が下ったと言う事は、御二人が、この国に必要だと言う事に他ならぬ。

元居た世界へと戻れるとの保証は出来ぬが、この国に留まり知恵等をお借り出来ると有り難い 』


「了解した。 協力は約束しよう。 だが、こちらが許容出来る範囲でならだ 」


「おい! 陛下自らの御下命に何たる事か! 

全てに対し協力するのが当たり前であろう!! 」

また別の騎士が横槍を入れてきた!


「少し…… 立場を明確にしましょうか! 」

が溜息をく。 件の騎士を見据えると、静かに告げた。

その声色は、先程とは異なり、静かだが底冷えのする様なものだった。

一瞬で室温が下がった様に感じるほどだ。


その事に、横に居たが焦り、口を開いた!

「す、少し、落ち着いて貰えるかなっ、 相棒が怒ると取り返しがつかない…… 

私は、済まないが…… こいつを止める自信は無いよ。

頼むから、喧嘩腰は勘弁して欲しい 」


「陛下、少し良いですか? 」

溜息をき、は問う。


『重ね重ねすまぬ 』

視線を向けられた王は困り顔だった。 

は、普段から苦労しているのだろうなぁ。 と内心気の毒に思った。


「いえいえ、お気になさらず 」

は王へと告げると、周りに居る騎士達を見回しながら続けた。

 

「まず、ハッキリとさせて頂くが。 私達には、この世界ともこの国とも、一切関係が無いと断らせていただく。

従って、立場は対等であり、お互い礼節を持って付き合う事が最低の条件となる!!


 我々は地球と言う星の極東を守護する者、軍属であり兵士である。

己が忠誠は自国の民に尽くすものであって、この国の王にではない。

 

 お判りかな。 貴方がたが逆の立場なら如何か? 

見ず知らずの者に、盲目的に忠誠を誓うのか?

違うだろう。 


 それに、この部屋の全てを斬り伏せるのに掛かる時間は…… 

そう、十分も要らぬ。

外に控える御仁は、少々厄介そうですが……

その数を入れても、私一人にも・・・・・勝てはしませんよ!! 」


の言葉は事実であり、決して虚勢などではなかった。

ただ、その掛かる時間については、随分と控えめに答えてはいたが……

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