第2話 ミッション1 門を潜り抜けろ!


 ミッション一 「門を潜り抜けろ!」


 俺がまずすべきなのは、城に忍び込むこと。

 門から入れないのなら、飛び越えればいいだけだ。幸いにもロープはある。


 とりあえず、どっかでっぱったところはないのか。……ねぇな。

「スキルオープン」

 そう唱えれば、俺がスキルポイントを使用して取得できるスキルが、一覧として出てくる。

 この中で忍び込むのに使えそうなのは……投擲とうてきに、跳躍ちょうやく、輪投げ。

 なにこの「輪投げ」意味ある? あ、ロープの先端を輪にして投げれば……って、引っ掛けるところがねぇよ!


 あぁぁぁぁ!! 考えているだけで時間が過ぎちまう!

 よしっ。投擲でナイフを投げてそこを足場か、ロープをかけるところに……ってナイフがねぇ!

「スキル跳躍、輪投げ取得!」

 飛び越えられなかったら、ロープ投げりゃいいんだ!


 誰も見ていないのを確認して、俺は飛んだ。


 のだが。

「いってぇぇぇ!!」

「侵入者だ!」

 うわ、見つかった! ご丁寧にサーチライトまでついちまった。これじゃ塀を超えるなんてできやしねぇ!

 鉄条網がなかったら入れたのに!

「スキルオープン!!」

 他に使えるスキルはないのか!? 例えば隠れるとか!


――スキル「隠匿」はスキルポイント不足のためご利用いただけません。まずはミッションをクリアしてポイントを獲得してください――

 他に何あんだよ! ってか、俺このままじゃサーチライト浴びて捕まっちまう!


 どうする!?

 スキル一覧をドラッグしていく。なにか、なにか、何か!!


 父ちゃん、なんでこんなスキル入れてるんだよ。でも、いけるか?

 スキル盗むと、変装を取得。


 門番をおびき寄せ、服を盗む。あとは変装スキルで、こいつに化けて。

「こ、交代の時間であります!」

 それらしく見せ、俺は門を通り抜けることが出来た。


 ミッション一、クリア!!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺に時間はない! 神無 乃愛 @Noa-Kannna

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ