怪獣の存在が当たり前となった未来。怪獣の前では人間の存在は無力で、ただ逃げることしか出来ません。人間の強みというのは、環境に適応する能力が高いことだと、どこかで聞いたことがあります。しかし適応する能力と、その人間が本来持っている資質というのは、相容れない場合が多々ある。本作はそんな人間の葛藤をも描いている、傑作です。徹底したリアル志向。それがこの、フィクションの王道でもある「怪獣」とよくマッチしていて、とても面白い。オススメです!
怪獣が街を襲うのが当たり前となった時代。若者が、自己の過去を振り返らされ、現在を自問する…独自の解釈からのレビューになりますが…自分が抱えている問題は何か、自己防衛のために蓋をしている、眼を背けているものは何か、心の奥底を省みなければという思いにさせます。無駄のない文章、短いながら内容の深い作品です。