第53話 SS 中央
夜。私の立ち位置が少し変わったように思う。私とディアが寝る部屋の中央に、おばちゃんたちが壁際で寝ることになった。理由は、暖房代わりだそうで。下着さんが怒らなくても日中の日なたくらいの暖かさらしい。夜まで日向ぼっこですか、感謝してくださいね。
おばちゃんたちとは手が届くか届かないかの距離を開けられているので少し寂しい。ディアにくっつくと抱き返してくれた。無言でもディアの優しさに私も暖かくなった。
「今日は、このまま寝たい……。」
「うん、いいよ。おやすみセレス。」
「あっ、ごめん。起こしちゃったね。おやすみディア。」
「早く寝なさい。私が警戒しといてあげるから。」
「ありがとう、指輪さん。」
「……眠ったわね。ディアも火も起きてるんでしょ?」
「起きてるよ。」
「……なんだ。」
「あんたたち、セレスをどう見る?」
「どうとは? 偽物だろうがセレスに近づきつつある。見守るしかないだろう。」
「へぇ、昼間騒ぎを起こしたやつの発言じゃないわね。」
「ふん。」
「ディアは?」
「まだ割り切れない、かな。セレスは、こんな風に抱きついてこなかったし。」
「ふぅ、子どもねぇ。」
「この子と一緒だと毎日ハラハラするけど面白いかな。」
「面白いのは認めるわ、っと男2人が近寄ってくるわ。」
「……寝る。夜は燃えん。」
「静かにね?」
「へいへい。」
翌日。食堂裏手で男2名が発見される。ずぶ濡れな上に、もがいても取れない水に気絶させられたらしい。指輪さんも下着さんもディアもまた沈黙を守っていた。全員静かだと何か寂しい……。
――――――――――
「何秒、息止めれる?」
「唐突ですね。せいぜい40分でしょうか。」
「あんた人じゃなかったわね。セレスは?」
「せいぜい30秒ね。息を吐いた時だったら10秒ももたないわ。」
「4属性を集めたのは、やり過ぎだったかしら?」
「今さらですね。」
「ちなみに帽子は、どこ行ったの?」
「あぁ、ちょっとね。」
――――――――――
被害
男性2名 気絶
食堂 裏手の水浸し
??? 半壊
ツンツクテン あるまたく @arumataku
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