水面に映る顔

ヴィダードを抱いた翌日、2人で無言で触れ合う1日を過ごした更に翌日。

シンカは早朝に道具を持ってカヤテと家を出た。


腹の大きな彼女を支え、里を出る。


「…寒いな…」


カヤテは呟いて腕の中の湯湯婆を強く抱きしめた。


「白湯を飲むか?」


シンカは水筒を進める。

妊婦に茶はあまり良くない。問題無いものもあるが白湯が一番安心だ。


カヤテは首を振って歩を進めた。


里の周りの魍魎は駆逐され、また新たな魍魎がやってこない様に手を尽くされている為基本的に平和である。


里の西側の入り口を抜けて、竹林を通る。

秋に葉を付け、春に葉を落とすため竹林は冬でも緑鮮やかだった。


既に雪の気配はなく、地面を踏みしめて進んでいく。


「…こんな日が来るとはな…」


カヤテは事あるごとにそんな言葉を口にした。

彼女は10になる前から剣を握って戦場に立ち、実の妹に等しいミトリアーレを守ってきた。


張り詰めて来ただろう。

もう何年も前、アゾク攻略戦に参戦する前にシンカはナウラを失う恐怖と戦った。


あれはシンカが26歳の時の事だった。


カヤテはその恐怖を9歳の時に経験し、以来多くを失って来たのだ。


それでも彼女は挫けず、凛と前を見据えて戦って来た。

強い心だ。素直に尊敬に値した。


だからこそシンカは己を捨ててでも、と彼女を救う為幾度も手を貸して来た。


恐らく青鈴軍がではるような大きな戦は数十年は起こらないだろう。


カヤテは漸く安寧を手に入れたのだ。


当時の24歳だった頃のカヤテを思い起こす。

グレンデーラでシンカを引き抜こうと奮闘している姿を思い出した、シンカは小さく笑った。


「なんだ?」


それに気付き、カヤテは少し下からシンカを見上げた。


「いや。グレンデーラで食事をした時の事を思い出していた」


「…あの時か。シンカは私が真剣に誘ってもあしらっていたな。あの恨み、忘れていないぞ?」


「少し美人だからといってほいほい着いて行く程性欲に支配されていない」


シンカが言うとカヤテは眉を上げて目を丸くした。


「……私の事を美しいと言うのはお前だけだ。あの頃の私はカヤテ・グレンデルであり赫兵であったが、ただのカヤテとして扱ってくれたのはお前だけだった」


カヤテは思い出す様に空を見上げた。

頭上を覆う笹の葉の向こうに透き通った空が僅かに透けて見える。


「未だに考える事がある。幾度も触れ合って俺はお前を好いた。自分の横にいて欲しいと願ってしまった。俺はお前の栄光を奪ってしまった」


シンカの懺悔を聞いてカヤテは鼻で笑う。


「忘れたのか?其方が奪ったのは私の恥辱だ。貶められ踏み躙られようとしていた私の恥辱を其方は吹き散らし、手を取った。あの時カヤテ・グレンデルは死んだのだと私は思っている。できる事は全てやった。一族を襲うあらゆる災厄から其方と其方の故郷は守ってくれた。もう十分だ」


竹林を抜けるとガルクルト方面へ抜ける洞穴へと足を踏み入れる。


枝分かれしたそこを迷う事なく進んでいく。

山渡りの襲撃に遭い、その通路はより複雑に再構築され、入り口も変えられていた。


「本当にもういいのか?こんな山奥で」


「たった10数年だったが、まあ常人3人分は捧げた気がする。後は私自身の為に生きてもいいだろうと思っている。…そらに、私はこの穏やかな生活に幸福をみいだしている」


洞窟に灯りはないが2人は足音の反響だけで障害物や分岐を把握して抜けて行く。


洞窟を抜けるとカヤテはシンカの肩を掴んで振り向かせる。


「さっきからなんなのだ!まさか適当な理由を付けて身重の私を捨てる気か!?」


「いや。お前は都会の女だから、此処での生活に嫌気が差していないかと。それにお前は大きな挫折を経験した。挫折したまま矜持が許すのか…とな」


「私の密かな夢は話しただろう?私の夢は頼りになる夫を得て妻となる事だった。…子供までは想像できていなかったが、好いた男の子を産んで育てる想像は…悪くはないな」


カヤテは向き直ったシンカの肩に額を乗せた。

彼女の髪の匂いを嗅ぎながら頭を撫でる。


太いが艶やかな彼女の髪の感触を掌に感じながら、シンカは腕の中に彼女を抱ける幸福に感じ入っていた。


「悪くない…か。悲しいな。俺との生活は良くないか…」


「そう言う事ではない!上げ足を取るな!」


肩を甘噛みされる。

シンカは小さく微笑みかけると再び先を目指した。


2人が辿り着いたのは静かな泉であった。

小さいがその水色はカヤテの瞳と同じ色に染まり、頭上を覆う木の枝には既に美しい萌葱色の若葉が芽吹いておりその合間から僅かな木漏れ日を映し、揺らしていた。


「…シンカ…」


カヤテは人前では出さない甘えた声でシンカに寄り添った。


腰を抱き、暫くその景色を2人で見つめていた。


荷物を置く。腰掛けやすい岩を湖畔から見つけ、塵を払う。

毛布を敷き、カヤテを座らせると膝掛けを掛ける。


「まるで姫の様な扱いだな。いい気分だ」


「カヤテにはクサビナ王族の血が流れているだろう?公爵の血筋でもある。十分姫だ」


「実感は湧かんな」


待って来た細長い道具袋を漁る。

取り出したのは竹製の釣竿だ。

分割されたそれを繋ぎ合わせカヤテに渡すと自分の分も組み上げる。


カヤテも既に何度か釣りは経験している。

黙々と糸と針をつけた。

蟲を嫌うカヤテの為に用意した練り餌を付けて2人水面に糸を垂らした。


「……こんなに穏やかな日が訪れるとはなぁ…。生涯ミト様の為に剣を振るい続けると思っていたが…」


「グレンデーラで別れた時、お前に市井の人々の思う幸せを教えてやりたいと思っていた。だから諦めた」


「お前が去って行く後ろ姿が目に焼き付いている。…本当は着いて行きたかった。あの後はナウラと2人で南端のグリューネへ向かったのだったか?」


「うん。…途中でヴィーが現れたがな」


「……今思い出したぞ!そう言えば、お前と別れた日に地を這いずる怪しげな女を見たのだった!頭巾を被っていて顔までは確認していなかったが、あの背筋を粟立たせる奇行は間違いなくヴィーのものだ!」


水面に見えていた魚影がカヤテの声で散っていった。


「カヤテ…魚が逃げるから糞を漏らすのは辞めてくれ」


「漏らしてっ!……よさぬか。しかし、魚にも耳があるのだった。気をつけねばな」


カヤテは気を取り直し居住まいを正した。


穏やかな時間が過ぎて行く。

シンカはカヤテの横顔を盗み見る。

普段は下ろしていることの多い黒髪を後頭部で丸く纏めており、耳や頸が垣間見える。


襟巻きに鼻先まで埋めている。意思の強そうな目はしかし気を緩ませており、穏やかな光を湛えている。


一直線に切り揃えられた前髪と襟巻きに半ば顔を埋める仕草が彼女を幼く見せていた。


「…シンカ」


身じろぎせずにカヤテはシンカを呼んだ。


「なんだ?」


竿を手首で小さく上下させ、餌を揺らしながら答える。


「……其方は…必ず……帰って来るのだな……?」


シンカは内心言葉に詰まった。

何故と。

帰るつもりだ。しかし帰れない可能性は今までより格段に高かった。


シンカは6割で森に飲まれると考えていたのだった。

だがその不安は妻達にはお首にも見せぬ様努めてきた。

それなのに、何故カヤテはと。


「無論だ。こぶ付き女と妊婦もいるしな」


冗談を述べた。

しかし何時もならすぐに帰ってくる返事は無く、怪訝に思い彼女の顔を見ると険しい表情が見受けられた。


「………皆、そんな顔をして死んでいったんだ………」


「…………」


何も答える事は出来なかった。

カヤテは身近な人を多く亡くして来た。


そんな顔をして死んだ者。それは恐らく覚悟を決めて戦に臨んだ騎士、戦士だったのだろう。


そうか、とシンカは自分の顔を撫でた。


カヤテの浮が水に沈む。

しかし彼女は険しい顔のまま、竿を立てる事はなかった。

浮は浮き上がり、水面に静けさが戻る。


彼女は幼年より死に近い所にいた。

シンカは覚悟を決めていた。カヤテの隣で死を覚悟した騎士達と同じ様に。


それが雰囲気に出ているのだろう。

だが、シンカの意思が曲がる事はない。


カヤテの側からいなくなった者達は故郷を、家族を守る為に自身の命を振るう事に決めたのだろう。

シンカとて何も変わらない。


むざむざ死ぬつもりはない。

しかし死んでも家族を守りたい。

最早安い犠牲だとすら考えていた。


「……それは駄目だ。分からないか?残されるものの気持ちが!私は見てきた!残された者の嘆く姿を!」


「分かるさ。俺も失ってきた。親を失い、友人を、同胞を失ってきた」


「……ならば帰って来い!お前の居場所は一つだ!私を落とした責任を全うしてもらう!」


「………」


シンカは深く息を吐いた。

覚悟は変わらない。相打ちで倒せる機会があるなら悩む事なくそうするだろう。


鋭い表情で、切り揃えられた前髪の下から翡翠色の瞳がシンカを一直線に見据えていた。


「……必ず帰る」


シンカはそう告げた。

シンカは嘘を吐きたくない。特に家族には。そう考えていた。

帰れないかもしれない。


だから名言は避けていた。

だがカヤテの、まるで視線の先を燃やしてしまうかの様な強い眼光にシンカは思わず返事をしてしまっていた。


「……ならばいい。必ず私と腹の子の下に帰ってくるのだぞ」


カヤテは片手を竿から離し、シンカの手を握った。

シンカの竿の先に着いた浮が沈んだ。


2度小さく沈んだ後、大きく沈む。すかさず竿を立てた。

手に重たい感触だ伝わる。大きい。

竿のしなりを利用して魚の疲労を誘う。

8半刻程竿越しの格闘を続け、魚の力が弱まった所で釣り上げた。


「なんの魚だ?」


瓜社父魚ウリカジカだ」


針を抜き水を張った容器に入れながら答えた。


「可愛いな。…美味いのか?」


「そうだな。白身魚だから味は淡白だが、美味いと思う」


「可哀想で食べたくないな。飼ったり出来ないのか?アギやミネ達の様に意思疎通できたりは?」


「飼う事は可能だが、小魚や虫を与えなけ」


「飼わん」


言葉を途中で遮られる。

茶鯨天牛を見て以来、相変わらずカヤテは虫嫌いであった。

あれによってカヤテは危機を脱したというのに酷いものである。


カヤテは釣り針に練り餌を付けて糸を垂らす。


「釣りはどうだ?」


シンカに寄り添いながら湖面を見つめるカヤテに尋ねる。


「絵もそうだが、ぼんやりとして、ゆるりと流れる時間に身を委ねている様で好きだ。魚を釣り上げるのも楽しいしな」


「俺がいない間、1人では行くなよ?」


「其方と一緒だから楽しいのだ。其方はまだまだ女心が分かっていないな」


カヤテはそう言って笑った。

シンカは笑うカヤテの唇を吸った。間近に映る翡翠色の瞳を見る。


「……カヤテは、ミトリアーレやグレンデーラを守る時、何を考えていた?」


心の中にあった疑問を口に出した。


「…そうだな……。初めてミト様を見たのは、あの子が生まれてすぐだった。私は5歳だった。精霊の化身かと言うぐらい愛らしかった。私は修行や勉学の合間に頻繁にあの子を見に行き、世話を手伝った。風呂にも入れた。襁褓も変えた」


「それ程近しかったか」


「ああ。ミト様は私に懐いてくれた。本当に、妹と思っていた。妹よりも大切だったのだと思う。ミト様が4歳の時、コンドール様が戦で負傷されたのだ。敵の包囲を抜ける時に馬が殺され、転げ落ちた先で股間を負傷された。グレンデルの当主は直径の長男が継ぐ。男児が生まれなければ長女が。悩む余地もなくミト様は時期当主が確定した。ミト様が居なければ私の父の可能性もあったが…しかし決まってしまった。まだ4歳の女の子が、次期投手に決まってしまったのだ」


「初めからあり得た可能性なのでは?」


「ああ。そうだ。しかしミト様にそれが向いていないことが私には分かった。だから私は…」


カヤテは釣竿の持ち手を親指で擦りながら、幼い頃の心情を語った。


「始まりは大切な妹を守りたいと言う気持ちから始まったと言うことか」


「ああ。それに一族皆、何処かで血が繋がっている。私は死ななかったが多くの身近な者が死んでいった。誰かが死ねばその家族が嘆き悲しむ。歳を重ねるにつれてミト様以外の者も守りたいと思うようになった。其方とてそうであろう?」


「ああ。……1人の時、俺は強かった。しかし守るべき者が増えて、俺には多くの弱点ができてしまった。俺は弱くなった。強大な敵が立ち塞がれば逃げる事ができた。厳しい状況になれば一旦退いて奇襲を仕掛ける事ができた。だが今の俺はお前達や親族を質に取られればなす術がないのだ。生きると言う事は難しい。最近いつにも増してそう思う」


シンカの語りを聞いてカヤテは深く息を吐く。

暫く何某か考えた後、彼女はシンカに向き直った。


「シンカ。それは違う。違うぞ。其方は覚えていないのか?1人なら挫けてしまいそうな苦悩も苦痛も、背に庇う者がいればこそ手と足に力が漲り、決して折れぬと抗い続けられる。私は見ていたぞ!ユタを助けに行った時、手脚を斬られて片脚だけで戦っていただろう?私を助けに来てくれた時、百を超える兵を突破した。リンファを助けた時もそうだ。それは強さだ。確かに傷付く場面は増えたかもしれない。だが1人では得られない心の安寧を守ろうと、大切な者を守ろうと人は強くなるはずだ!私は守る者を得た人間が弱くなるなど、断固として認められないぞ!」


カヤテの声が森に響く。

シンカはカヤテの言葉を聞き、無言で宙を見上げた。

朝日に照らされて若葉が萌黄色に輝いていた。


「……そうか………………そうかぁ………」


心の中が晴れた様に感じられた。

ずっと悩んでいた。大切な者を得た代わりに自分は弱くなった。

弱くなった自分に彼女達を守り切れるのか。


「…カヤテは死ぬのが怖くはなかったか?鉄鬼の団ルシンドラとの戦いでお前は自害しようとしていた。ロボクとの戦いでもあのまま行けば討ち死にしていた筈。ケツァルに囚われた時も後数日で処刑されていた。お前は死が怖くないのか?」


「何故そんな事を聞く。……そうだな、死ぬのは怖い。誰だってそうなのでは?痛みも苦しみも味わいたくない。だが1つ言えるのは、死よりも苦痛と考えているものが私にはある。それはミト様や其方等が傷付く事だったり、己が30年かけて築き上げて来た矜持が穢される事であったりだ。地を這い泥水を啜って生きながらえる事も1つの正解だろう。…だが、私は分かる。その様にして惨めに生き長らえた事を後年の私は許せないであろう」


「そうだな。俺も同じだ」


「其方がそういう人間である事はすぐに分かった。だから私は其方に惹かれたのだと思う。折れず挫けず、媚び諂わず、気高かった」


カヤテがシンカに顔を近付け、唇を吸った。

シンカは気持ちを込めてカヤテの唇を喰んだ。


「最後に聞きたい。己が何かに敗れて無意味になる事をどう思う?」


「最後…。不穏な言葉を発するな。お前は私の元に帰ってくるのだ。約束をしたのだからな?………無意味、無意味か…。それも私は考えた事がないな。死ぬ事は無意味な事なのだろうか?私達が生きて来た跡には必ず何かの成果が生み出されている。私はそう考えているが」


「例えばミトリアーレを森で1人で守っていた時、結局敗れてミトリアーレが死んでしまったら、お前はどう思うのだ?」


首を傾げたカヤテにシンカは訊ねる。


「そういうことか。…後悔するだろうな。悔やんでも悔やみきれないと思う。……だがそれでも…私が精一杯努力して来た事実に変わりは無い。最後の瞬間にそう思えるかは分からないが、己の努力を己が認めてやらねば、誰が認めてくれるのだろうか?」


カヤテの意見は前向きだった。

シンカは思わず声を出して短く笑ってしまった。

カヤテはむっとした表情を形作る。


「いや、すまん」


「何故笑った!」


「俺は1人で何処までも愚直に、振り返る事なく駆けて行きそうなお前に恋焦がれた。お前に好意を持ったから助け、お前に死んでほしくないから参戦した。俺は崖の上に咲く、雨にも風にも負けぬ花を手折ってしまったのではないかと、ずっと悩んでいた。だが、カヤテは変わらないのだなと嬉しくなったのだ」


言うとカヤテは顔を赤らめた。赤らめて軽くシンカの胸を小突いた。


「私は変わらん!…………花…だと?……此奴の目に私はどう見えているのだ…?」


照れ隠しか強くそう言葉にした。


決して後悔しない様に全ての力を出し切る。敗れても後悔しない様に。

成る程、大切なことだとシンカは考えた。


ふと見下ろすと水面に自分の顔が映り込んでいた。

逆光にどんな表情をしているか、分からなかった。


不安が表情に現れていないか不安に思った。


2人はそのまま昼過ぎまでのんびりと泉に釣り糸を垂らしていた。


結局釣果はシンカが5尾、カヤテが2尾であった。


家に帰った2人は部屋に引き篭もり、ゆっくりと過ごした。

カヤテの膨らんだ腹に手を当てる。硬く張った腹の中で時折胎児が蠢く。


蹴り出された小さな足の形に腹が膨らむ。


「この子はどんな子に育つのだろうか?」


「カヤテはどう育って欲しい?」


「…そうだな、お前の様に女を守れる男に育って欲しい」


カヤテの言葉を聞いてシンカは目頭が熱くなるのを感じた。


「…俺は、守れているか?」


何故か、全てを肯定された気がしたのだ。

どんな人間でも誰かに認められたいと思い悩む。

自分の価値を示したがる。


「当然だ。何度も守って貰った。私は誰かに守られる日が来るとは思っていなかった。9歳でミト様をお助けしようと誓った時、女など捨てたと思っていたが…うむ。お前に守られるのは心地良い」


寝台に腰掛けて背後からカヤテを抱き、首筋に鼻先を埋める。


過程に意味があるのだ。

世の人は結果が全てという。

結果が残せなければ全て無意味なのか?


そうでは無い。

努力した過程は無意味にならない。


また一つ、シンカは何かを得られた気がした。


一つづつ何かを拾い集めている様な、そんな感覚に陥る。


幾晩経ってもあの夢の内容が脳裏にこびり付き離れないのだ。


シンカとカヤテはずっと触れ合って1日を過ごした。

夜になると2人で寄り添い、彼女の腹を守りながら眠りについた。

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