- はじまり2 -
5月の下旬、るったんの葬儀が執り行われた。
私はあまりの突然の出来事でただただ立ち尽くすことしかできなかった。葬儀にも参列した。お通夜だって行ったし火葬だって参加した。ただ、あまりにも現実味が無く、急なことだったので言葉が本当に出てこなかった。
一体どうして。
頭の中をこの言葉が永遠と駆け巡った。
出産予定日当日。
それは突然起こった。出産には危険性があると多くの人は意識の外にある物だ。私も例外ではなかった。出産とは母体にもダメージがあり危険が伴う。しかしあまりにも自然と結婚しろ、子供を産めという言葉を放つ人が多く、危険が伴うとは知らない人だって多いと思う。いや、正確には知っていても理解ができていないといった方が正しいかもしれない。
るったんは無事子供を出産した。元気な男の子だった。その日仕事を抜け出し急遽駆け付けたたっちゃんは笑顔で子供を抱き、るったんに声を掛けたらしい。しかし、るったんの返事がなかった。すぐに医師の支持の元で緊急手術となった。しかし、決死の治療も亡くなったという事だった。
人伝いに聞いただけだ。本当は亡くなった原因があるんだろう。私には分からない。しかし、私は友人の死因なんてものはどうでもよかった。友人が亡くなった。ただただその現実だけが重くのしかかり、私はどうしようもなくただただ呆然とするしかなかったのだ。
葬儀も終わり、私は帰路についた。
帰る際にたっちゃんに声を掛けられた。今度落ち着いたら連絡すると一言だけ。私も今は心の整理ができていない。わかったとだけ伝え会場を後にした。
私、この子と生きていきます @lady_and_tramp
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