#5


 「お腹いっぱーい……」


 リンはお腹をさすっている。


 ハガンは魂が抜けたように椅子にもたれ掛かった。


 「お前の勝ちだな」


 リンの姉は深い溜め息のあと、真っ直ぐレインを見た。


 「分かった、負けたよ」


 「こんなボロい家さっさと売り払って、いいとこに住めよ」


 「言われなくてもそうするよ!まぁ、でも……ありがと」


 「ん?」


 「あ、り、が、と!」


 「ん?何だって?」


 「しつこいな……ありがとう!」


 「斬馬刀ざんばとう?」


 このやりとりがしばらく続くだろうと踏んだハガン。リンと二人でコーヒーとジュースを飲みながら談笑した。








 

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RAIN─遥かなる旅─ 只野趣味介 @madamasa

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