俳句・短歌風『草津旅十句』

中田祐三

第1話

草津の湯 卵腐る(草津)匂う(硫黄)名も臭いも近し



公衆浴場 香る臭いは 放屁か湯か

戯れも心地良く 思える硫黄の湯



ともすれば 暴利にも思える 観光値段

思い出価格 金は儚く夢か幻



煮立つ身体 火照り冷やかす 山間の風



蒼色に浮く 昼行灯 雲一つなく

夜に落ちて消え 湯畑光灯る



賽の河原 鬼の茶釜に響く 夜の下駄



足を浸し 覗き込む地獄 煙湧く湯畑



湯に当たり 酒飲みの如く フラつき街ブラ


夜が灯り 湯畑に漂う 酒と串焼く香り


薄暗き 風呂場に座り 偲ぶ歴史

橙色の灯り儚く 揺れる湯煙の夜



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俳句・短歌風『草津旅十句』 中田祐三 @syousetugaki123456

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