キラキラだとかアイドルだとか、そんな言葉の間に異物のような何かを挟んだ、すっとぼけた不穏さの漂うタイトル。
そういう話なのかなあと想像して読めば、想像通りの何かが飛び交っています。
本作を読み進めながら思うのは、数々の要素に粒立って見える『楽しさ』です。
テンポよく停滞のない文章、超能力アイドルやらアイドル次元やらといった人を食った設定の群れ、個性が大渋滞なアイドルたち――特に、恐らく主人公であるところの相沢花恋の特異な(それも、かなり、と言うべき)性格と大立ち回り、そして規格外過ぎる能力には惹きつけられるものがあります。
それは例えるなら、宝石箱に似ているように思います。色とりどりの宝石がこれでもかと詰め込まれた、ワクワクとドキドキに満ち溢れた謎の箱。
2019年11月現在、公開中の『束の間・アイドル同盟』までを読み終えた段階では、作中の設定もこれからの展開も色々と広がってきそうな雰囲気で、果たしてこの先には何があるのか? もっとキラキラの何かが山と潜んでいるのでは?……と、続きがとても気になっています。
また、メインの楽しみ方とは違いますが、恐らくふんだんに詰め込まれたアイドルもののサブカル作品に対する参照。
詳しくないので拾い切れませんが、恐らく相当な量になるはず。
宝石箱の中の隠しダンジョンみたいな何かを、色々探検してみるのも楽しいかもしれません。