第四記

「以外に残ってるものだな」

中は棚こそ散らばっているが、缶や電池などは落っこちていた。

「ライターとか電池は取っといたほうがいいよね?」

「うん、できればまだ飲めそうな飲み物とかも」

二人は黙々と作業した。

「まあ、こんだけあれば数日は平気かな」

「そろそろもう少し大きいバッグ欲しいねぇ」

「そろそろ移動しようか」

「あ、でもバイク壊れちゃったよ?」

バイクはタイヤがパンクしてしまっている。

「どないしよかー」

「なにその方言...」

「ねえねえあれ使おうよ」

彩が指さした先にはジープが停まっていた。

「壊れてると思うけどなぁ」

凛はそばまで行ったときに気づいた。

「これ、鍵さしっぱ...」

「ドアに鍵さしっぱなしってアホだなぁ」

「あ、でも燃料がないや」

「とりあえずやってみようよー」

凛は鍵をさしてクルっと回した。

「...かかった」

「おぉーいいねぇ」

「でもやっぱ燃料がないなぁ」

「バイクから持ってこようよ!」

バイクにはまだ燃料が残っている。

「でもどうやって移そうか?」

「そういえばコンビニにキョポキュポあったよ?」

「それだ」

「とってくるね!」

彩は走っていった。

「持ってきたよー!」

「よし、やるか」

バイクの燃料をジープに移した。

「よし、これでいけるはず」

「いこーう!」

二人は乗り込んだ。

「車は運転したことないなぁ」

「凛なら大丈夫だよ!」

アクセルペダルを踏んでゆっくり発進した。

「それにしてもこの車はすごいな」

ガタガタの道でも難なく走る。

「よかったねぇ、動いて」

そのまま何事もなく走行し続けショッピングモールについた。

「思ってたよりでかいな...」

「なにがあるかわくわくするねぇ」

「結構崩れているところもある。気をつけるんだぞ」

二人はショッピングモールの残骸に足を踏み入れたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

終焉世界の二人組 あしがらきかん @Rikku14s

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ