【最重要】「税は財源ではない」というツイッターのクソタグが間違えている理由について〜その1【一番重要】

時々ツイッターで『税は財源ではない』という話を見るようになりました。

ごく普通に考えると「低学歴の右と左の白痴連合の世迷い言」…という扱いで、#を立てては消えてなくなるを繰り返すクソタグの一つなのでしょう。確かにワイもそう思います。実際クソタグだからです(政治タグというのは右も左も全てよくない)。


しかしこの件に関しては「本当に阿呆の戯言」で終わるのかどうか?…と考えることもあります。つまり「税は財源ではない」という時代が、極めて遠い将来に招来するのではないか?…と思うことがワイにも確かにあるのです。そこでこの際、ワイの思う所・考える所を一度開陳し、税を考える中でこれまでの「国債は非常に重要なツール」という本編の内容のまとめ話数として全三話で再検証することにしました。税制と国債の関係の整理と言ってもよい内容です。


結論としては「税は財源であり、しかも政府支出が続くのであれば増税は必要」という内容です。逆に言えば行財政のスリム化がいずれ必要になるのだろうということです。言ってるだけなら維新が正しい…という事になるのですが(しかし大阪維新の会のやってることはスウェーデン社会民主党とほぼ同じなことは余り知られてないのですが…)。




○激しいインフレ環境下では、政治家が出来ることは少ない

〜民主国家における無分別な政権批判は究極、自己否定とファシズムしか産まない愚行


まずツイッターでよく見かけた「#税は財源ではない」という話ですが、これは明確に「間違い」です。税は財源です。以下にその理由を述べようと思いますが、その前にまず、なぜこんなクソタグが出てきたのかの背景について考えてみます。


安倍内閣時、少なくともある程度の経済成長を見ていた日本でしたが、その後の岸田内閣時になると一向に経済成長しなくなった感が出てきました。ウクライナ紛争という核戦争の危機があり、特に化石エネルギーと穀物という「インフレに直接大きな影響を与えうる」必需品の供給不安から世界経済の混乱に拍車がかかるようにもなりました。実際、日本でも物価高が進み生活苦が増しています(2022年10月の消費者物価指数は3.6%。40年ぶり伸び率)。


この状況の時に様々な理由から増税しなければならなくなりました。新コロ対策として多額の補助金を出したり政府が財政支出を増やした=国の借金ガー増えた…なのでPB維持のために増税せねばならないとか、ロシアによる侵略・中国習近平政権による台湾や日本への軍事攻撃の危険性・北朝鮮の核武装化の深化など、日本の周辺諸国の極めて好戦的なスタンスに対して防衛力の強化=防衛費の増額という厄介な要求もあります。つまり「カネが必要なことばかり」という厳しい環境です。おまけに米国国務長官オースチンなどは、


黒人の親父「全ての国は国防費をGDP2%に上げろ(ꐦ°᷄д°᷅)💢」

オースチン「2%はMustだ!もっとあげろ!(ꐦ°᷄д°᷅)💢」


…と命令しています(困惑)。

アメリカはいいでしょうよ、そりゃ…。なにしろ米国は過去30年に渡って年平均2.5%以上の経済成長率があり、このために想像を絶するほどの国力を溜め込みました。そのため政府予算も潤沢にあります。インフレ+ドル円レートが狂っているのであまり正確ではないのですが、米国2022年度会計では900-1000兆円もの財政支出を予定しているようです。つまりアメリカは今年1年で900兆円くらい使うということです(爆)。なので今日の段階で約7兆円ものウクライナ支援が出来るというわけです。この額はウクライナのGDP2000億ドル(大体25-30兆円)の1/4もの金額ですが、米国のいわゆる国家予算(=連邦政府歳出)の1%にも満たず、GDPでいうなら0.2-0.3%程度の「はした金」に過ぎないのです。


経済成長が続けは、特に激しい増税をする必要もなく税収入の自然増が見込めるのです。


事実、米国の予想租税収入額はなんと530-550兆円にもなります。累進課税制度が事実上機能しておらず、金持ちも貧乏人も大体33-35%程度しか税金収めていない米国なのに、しかも年収20万ドル(=2500-3000万円程度)のお宅が1/10人という貧富の格差の激しいアメリカ様でも「勝手に」税収入が増える…ということでした。



経済成長(→マイルドなインフレ)というのは国家にとっても素晴らしいものなのですが、日本の財務省の連中は「全く判ってない」ようです(呆れ…)



一方、日本は経済成長がないため庶民の可処分所得が全く伸びず、そのため物価高になると生活が非常に苦しくなります。実質賃金上昇率は▲1.5%くらいです。物価の伸びに手取りが伸びていないという事です。他方、米国の労働賃金は「最底辺」と言われる肉体労働でも大体時給3500円以上であり、これは2年ほど前の二倍以上の伸びで賃金上昇率は前年同月比で5%を越え続けています。とはいえインフレ率が8-9%もあるので実質労働賃金上昇率は日本よりも遥かに悪い▲3.5%以上です(爆)。

でも、銀行口座の数字は爆増しているのも確かなのです。人間とはバカな生き物で、激しいインフレで生活苦が続いても手取り額の数字が大きくなれば「ハッピー」感が出るものです。また失業率が低い=引手数多ひきてあまたの労働市場ならば不満がある程度緩和されるのも事実です。日本にはこの「錯覚」がないのです。


手取りが全く増えないのに、なぜ増税なのか?(疑問形)

なぜ岸田政権は経済成長政策をださないのか?(疑問形)

なぜ岸田政権は国民に負担ばかり求めるのか?(疑問形)


…という話になり、鈴木財務大臣のものの言い方が「緊縮財政!緊縮財政!( ゚∀゚)o彡°」の財務省の言いなりであるかのような、出来損ないの腹話術人形みたいになってることがますます怒りを増幅するのだろうと思います。日本人はもはやアベノミクスのような積極財政で経済成長することの方が、補助金付け+結果として増税よりも「遥かにマシ」ということにも気づいたということ。なにより金融緩和をしても国富が増えるだけで国家破綻しなかったという事実から、この逆の政策を採用している岸田政権は…


キッシーは真性のバカなのではないか…ಠ_ಠ;??(反語)


と右からも左からも叩かれているのでしょう。簡単に言えば、増税して補助金なんかつける政策よりも、減税して景気回復して国民所得を増やした後で累進課税で増税すりゃいいのだし、増税しなくても経済成長すれば自然に税収入が伸びることを「アメリカ」が証明してるじゃねーか(怒)…という事なのです。んで、これは事実でもあるのです。確かに「キッシーはバカ」と言われそうです。


ただし岸田さんを庇護かばうわけではないのですが、「岸田政権の政策は時下、特に間違いではない」なのも事実です。新コロ発生に伴う金融不安に対応した全世界での1500兆円規模と想定されてる桁外れの金融緩和と物流生産の混乱+ウクライナ紛争による資源不足…という、全て高インフレをもたらすような深刻な「戦時下」では、国家が最優先に採るべき政策は「インフレ抑圧」です。物価高が庶民の地獄となるのは欧州や途上国を見れば明らかで、日本は他国の数分の一のインフレ率に抑え込んでいる以上、「日本は優秀」です。


他方「減税によって景気刺激策を!」に対しては、減税が「市場にカネを撒く」ことにつながるため(消費力がUPする)インフレ亢進の原因になるから「ダメ」であり、また日本のように超低金利政策を採用している場合、過去2年の経験上、減税分のカネの多くは消費ではなく貯金やタンス預金に周るために市場の活性化にも役に立たず、逆に政府財源が減ることによる財政不安から円・株式市場の暴落や日本国債の価値暴落→金利急騰と、それに伴う国家破綻の危機が発生するリスクが発生します。


まさに英国史上最短命のトラス女史内閣がそうなりました。無謀な減税はタダでさえ高騰するインフレを加速させ、根拠のない楽観が「イギリス、大丈夫か…ಠ_ಠ;?」という疑念と不信を招いてポンド安・株安・債権金利高が発生したのです。財源不足から英国国家破綻の危機を市場が感じ取って逃げ出した…ということです。


よって日本の庶民救済策は(減税ではなく)バラマキ財政によって行われるべきなのもやむを得ず、限られた財源をガソリン補助金などの重点項目に振り分けるのも正解です。同時に弱りきった旅行業などへの「GoToトラベル」的な刺激策も結果としては正解で、もし無為無策で放置すれば脆弱な産業は本当に廃業だらけになり、地方のそもそも弱い経済力から考えれば失業の問題が深刻化します。これは数年後の平和が回復した後での自律的な景気回復時に「カネを稼ぐ力」である産業そのものが消失しているというリスクを回避するために必要なのです。

もっといえば、過去2年、新コロ時の年平均30兆円を超える日本政府のバラマキ財政により、日本の景気が下支えされ、結果として租税収入が過去最高を連発した事も重要です。今回のバラマキは民力救済には効果があり、これ以外の方法もないのです。


よってワイの結論は、いま岸田を無分別に叩くのはポピュリズムに過ぎない「極めて危険なファシズムへの道」に過ぎません。国家破滅への道は善意によって舗装されるとはいうものの、そんな公共事業に俺のカネをツッコむのはやめるべきなのは言うまでもないことです。いまは問題があることは認識した上で、岸田氏云々ではなく「日本国をどうやって救うか?」を考えるべきです。特にリベラルの一部は国家よりも世界…というよく判らない理屈によって国家の解体さえ目論んでいるように思えるのですが、しかし国家が消滅すれば通貨生成のメカニズムが消え、結果として国家だけでなく我々の生活まで消滅してしまいます…(:_;) 我らにとって愛する日本が亡くなった場合、我らの預金通帳のなかにある預金つまり「円」が、本当に紙くずになってしまうからです…


とはいえ岸田氏の政権下で借金が増えたのは事実。このままだと増税しかない。これをどう考えるか? ワイもどうにかして避けたいというのが本音…。

でもまあ、IMFの調べによれば、既に全世界は3京円(30000兆円)もの官民債務を抱え、これは全世界GDPの四倍以上。しかも中国一国だけで過去1年で800兆円を超える債務を増やしたそうで、これは過去30年以上に渡って長期国債を溜め込んだ日本の993兆円(2022年前半)に匹敵する規模の債務をアッサリ溜め込んでなお全然くたばりそうにない「偉大な中国」と比較すれば、なんとケツの穴の小さい「小日本人」かと笑われる…と考えることさえ出来ます(いや、中国は間違えていますが…)。


ということはいずれ中国も増税が必要ということになります。政府(含む各地方政府)がカネをばら撒く以上、その分のカネが必要になるからです。よって「税は政府財源」なのです。納得いかないかもしれませんが、日本国でもいまのままでは増税が必要なのです。岸田政権がばらまいているからです。皆さんにとっては腹立たしいかもしれませんが…


ではここでもう一度、税と財源について考察してみたいと思います。本当に今のままでいいのか?という自戒の意味を込めて、です…m(_ _)m




○管理通貨制度下におけるインフレとデフレについて

 Goldは金利を産まない…という問題について

  

現在は管理通貨制度下にあります。以前は金本位制でした。

金本位制とは「通貨の裏打ちに地金のGoldを使う」です。万が一の時でもGoldがあるので安心(^^)v…ということで、そのためGoldと一定額で交換できる兌換紙幣でした。Goldは国境を越えた共通資産。これなら国家が破綻してもGoldがあるので大丈夫なわけです。ところが問題もあって、このメカニズム(金本位制)ではGoldの総量以上の通貨の発行が出来ないという事になります。


此処でインフレとデフレの関係を考えてみます。

「モノ100=100カネ」の均衡状態があったとします。そしてインフレとは「カネの量が多すぎること」・デフレはこの逆です。よって、


カネの量が多すぎること ←インフレ (モノ100 < 200カネ)

カネの量が少なすぎる事 ←デフレ  (モノ100 > 50カネ)


モノの量が多すぎること ←デフレ  (モノ200 > 100カネ)

モノの量が少なすぎる事 ←インフレ (モノ50 > 100カネ)


…になります。インフレは「モノ < カネ」、デフレは「モノ > カネ」です。


もう一つ経験則として重要なことがあります。「インフレは経済成長ともなりうる」という事実です。産業国家においては特にそうです。インフレとは物価高の事です。


モノに比べてカネが多すぎorカネに比べてモノが少なすぎるために、「今まで一個100円だったパンが、小麦が取れなくなったのでパンの数が少なくなった。よってパンの希少価値が上がった→一個150円くらいになった」とかです。もしくはロシアのせいでエネルギー価格が上昇し、パン一個焼くのにエネルギーコストがかかった。このコストを転嫁したら一個200円になった…とかです。


こういう時、例えばパンが値上がりした時に、「じゃ、ワイ、もっと安く大量に生産して市場占有率あげたろ(๑¯ω¯๑)」ということになれば…


「生産拡大→価格低下(モノが増えるので)→生産力=国力増強」

ということになり、また…


「コスト高→売上上昇(=個数が同じでも価格上昇分のカネがプラスされて入ってくる)→生産拡大=国力増強」

であり、同時に…


「生産拡大で人手不足→労働賃金上昇→消費市場の拡大→景気ますます拡大」

…という経済成長を促します。


さらにインフレヘッジという、「後生大事にカネを持っていても(物価高で)意味ないから、モノの値段が上がる前にとっととカネ使っちゃおう」という行動が発生します。これが消費をますます拡大・持続させます。


もう一つ重要なのはカネの価値が相対的に減衰する事で、これは「実質の借金負担が減る」という重要な効果が出ることです。物価が二倍の世界になったら、相対的に借金の価値が半分に減っている(←実際にはちゃんと計算する必要アリ)という感じです。パンが一個100円・手取りが10万円の時代に10000円の借金を建てても、パンが一個200円になり、手取りも二倍とはいかないまでも例えば15万円になっていたら「10000円の借金の負担は相対的にラクになっている」という事です。


実はこれが前述のインフレヘッジにも繋がる考えで、「だったら高いモノを借金してでもいま買おう!」になります。大抵は不動産です。不動産の高額物件は価値があるのなら高値で買っても転売できるし、住んでいてもOK。住宅ローンが少々高くてもインフレで所得もバンバン増加すると予想できれば「高くなる前にローン組んで買っておく」べき…という流れになります。これが2022年の米国で発生していることで、長いことインフレが続いていたのは高所得層によるこうしたインフレヘッジ行動が大きく影響しています。なので2022年の中頃まで延々と住宅価格が高止まりしていたわけです。


なによりインフレになれば「国債」という国(正確には政府の借金)も「減る」ということです(^^)v


なぜなら国債は借金という「カネ」です。インフレとは「カネの価値が下落すること」…相対的に物価高になるという事だったはずなので、インフレ環境下では国債という「カネ(=借金)」もまた「減る」のです。


例えば今日、10000円の借金建ててローン組んで何かを買ったとします。しかし持続的なインフレ環境下ではモノの値段がジリジリ上がり続けます。数年後にはもう10000円では買えなくなっています(もっと高いカネ出さないと買えない)。しかし労働賃金が上昇しているのならば、数年後の手取りが例えばいま月に10万円だったものが15万円になっていた…とした場合、10万円で10000円の借金建てるより、15万で10000円の借金建てた方が「相対的にラク」という事になります。将来になれば、相対的に借金の負担割合が減るのです。


当然、金利は高めですが、それでも金利分を含んでも将来利得分(つまりお得感)が出るのならば「買い」であり、また転売などで稼げるというのならば「物価が上がる前の今のうちに買い」という事になります(とはいえ、金利変動型ローンの場合、苦しくなるんですけど…)。



こんな感じでインフレになれば物価高になるものの、うまくいけば所得も増えるし生産力=国力も増える。そして国債も減るしいい事だらけ。これも通貨の供給量が相対的に増えたことによるもの(←インフレ)。なら逆に「カネの量を増やす」事は「インフレを発生させる」と言うことであり、これがアベノミクスを始めとした金融緩和による景気刺激策ということです。


ところが金本位制度の場合、地金のGold以上にカネを刷ることは出来ないはずなので、経済規模が拡大した場合、Goldの資源量が足りなくなります。国が生み出した富をカネに換金した時、地金のGoldだけでは「全額換金出来ない」という事で、結果、カネの量が国力というモノに対して少なすぎるため「金本位制は本質的にデフレになる」という事です。これは前世紀のはじめにすでにケインズなどが喝破していたことです。実際には金本位制でも経済規模の拡大に伴って別のカネの生成メカニズムを取り入れています。「債権」です。そこで「借金」の意味について考えてみます…m(_ _)m





P.S.

このページ、ありがたいことに結構PVあります。なので結論だけ言うと「国債を増発したいなら、その分、増税しないと駄目だ。ただし経済成長していれば税収入の自然増が期待できるから、増税によらず経済成長を狙うほうがよい」程度の内容です。

いかなる増税はデフレ要因に過ぎず、また国債の増発は貨幣の中立説から考えても「いずれ物価高=生活苦」になります。2023年の欧米のように、です。なので安易に国債を増発するのではなく、金利を正常化し、投資と消費の活性化=経済成長により国富の増加を狙うべきだ…という程度の内容でした。


ちな、現行の税制…特に消費税については非常に問題だらけで早急に廃止すべきです。当コラムにおいては消費税および所得税を廃止し、よりフェアでより優れた税制としてフリードマンの唱えた「負の所得税」という偉大な税制理論に置き換えるべきと提言しています。その内容についてはこちらになります。ぜひともご一読の方、よろしくお願いいたします…m(_ _)m


https://kakuyomu.jp/works/1177354054884987864/episodes/1177354054888798117




         【 この話、あと二回続く… 】



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