補給と言う名の王国は、いつも何処かが壊れている
寅年は「虎、千里を走る」と言われ、新しい時代を迎えるための大混乱期と言われています。政治経済で大混乱する激変の年です。今年、まさにそうなりました…。
困ったものですが…( ・᷄д・᷅ )
さて、焦眉之急のウクライナ戦争についてですが、おそらくロシア侵略軍もそろそろ戦力が尽きるころかと読んでいます。現在でもそうなのですが、4月の中旬には侵攻能力を失い5月〜6月には撤収もしくは現地軍降伏…の可能性さえあるかと思われます。
もともとロシアの対外侵攻能力に関しては疑念を持っていました。軍事的なことはよく分からないのですが国防予算において自衛隊より低く、また国力GDPにおいて韓国よりも下の国なのに、90万人の人員を維持するのは相当難しいでしょうね。それなりに予算がついている自衛隊は正面装備だけでなく災害時に備えて後方支援装備も厚くしてるものの、それでも装備全般で潤沢とは言い難く備品などの福利厚生では隊員が自腹を切ることも多いほど。
韓国に至っては新装備への更新が進む一方で旧式化した装備を保有し続けたり、また補給兵站の面で「共食い」やら稼働率の低下などの問題に悩まされ、しかも部隊内のイジメなどの問題から定期的に銃乱射事件などが発生するほどで、自国領土防衛くらいしか軍の展開能力のない日韓よりもさらに国力・予算で劣るロシアがこんな大規模な越境戦争を始めること自体、無謀だったように思います。
ちな米国は2021年度の国防予算はおよそ90兆円(爆死)。ロシアの15倍以上の規模。米国の国防予算は他国の総額の合算値よりも上です。しかし米国は連邦予算が実に800兆円もの空前の規模であり、歳入でも520兆円近くあります(驚愕)。租税収入だけで日本のGDPに迫る勢いですから、こりゃ凄い…。GDPではロシアの15倍上の規模で、こりゃ全く勝負になりませんわ(呆れ…
ロシア軍の侵攻能力の低さの理由については現状、正確な事がわかりません。戦後、もしくはロシアプーチン政権崩壊後に
どうやらロシアは本来、わずか2-3日でのウクライナ全土電撃性圧を目論んでいたようですが、これに失敗。その後、南東軍と北方軍では展開が全く異なります。前者はクリミア及びル人共・ド人共の支配領域からの出陣で事実上の策源地として使えたこと・道路状況もより整備されていた事や、戦力でロシアの1/10しかないウクライナ軍が首都防衛に力点をおいていたことによる反撃能力の薄さなどの理由から、補給兵站に関してもかろうじて限界点が遠かったのではないかと思われます。実際、オデッサへの陸上軍の大規模進撃は今日の段階で生じていません。補給能力の限界線の向こう側にあるためで、実際、駐留ロシア軍の兵站が尽きつつあるからかもしれません。
他方、北方軍は道路状況がより貧弱で悪いことや策源地たる地域がなく、ベラルーシからの侵攻に際してもベラ側国境に巨大な補給集積地がないor機能していないことからあらゆる物資の欠乏があったのではないかと思われます。特にキエフ方面はウクライナ軍が大兵力を配置し防御を固めた事・西側からの兵器補充が圧倒的かつ迅速だったこと・ウクライナの戦意が高く、ロシア軍の戦意が低いことや米国中心に特殊部隊・民間軍事会社などの直接協力の他、米国NATOなどからの各種戦略戦術情報などの全面的な支援もあって、攻勢は初期からつまづいた事があるのですが、米国のように強大な経済力と輸送補給力があれば矢継ぎ早に体制を立て直す事が出来たはず。これが出来ない理由は単に「もともとカネが全然足りないから」が理由の全てです。ロシア軍が早期に略奪に走ったと言う事からも分かるように武器弾薬はともかくにして糧食燃料などは、ロシアにそもそもそれほどの蓄え(=国力)がなかったからが理由と思われます。
ただしウクライナにはひと工夫があり、どうやら初期の頃にわざとロシア軍補給部隊を襲わなかったらしいという興味深い話も外伝として伝わってきました。これはクレフェルトの古典的名著「補給戦」そのままの事例で、わざと補給部隊を生かしておくことで「前線部隊だけでなく補給部隊にもメシと燃料を喰わせて、やせ衰えさせる」という方法のようです。
武器弾薬および兵器の維持管理用備品と燃料、糧食などは一緒に運ぶことは出来す、それぞれが役割分担を持って個別に補給するのですが、これらは個々に兵站線を持つことであり、絡み合うこと無く綿密な計画が必要なだけでなく、路線使用権などの現場における煩雑な配送管理技術が必要です。なにより補給部隊もメシを喰うし燃料使って物資を運ぶ。遠くになればなるほど補給部隊もメシと燃料が必要になり、トラックもまたイカれて輸送力が減る反面、運べる物資の量は劇的に減り、また60km以上に渡って戦闘部隊が延々と車列を組む…というほど伸び切っていたのであれば、武器弾薬メンテパーツなどの正面装備用各種消耗品、糧食、燃料、その他の補給および負傷者死者の後送などの輸送計画が破綻したとしてもおかしくはないでしょう。
こういうプランは場当たり的にやっても大混乱するだけで、大混乱すればするほど補給は無駄になります。なんで日本のコンビニ配送があれほど綿密にプランニングされているのかの理由がこれです。しかも戦時で破壊・損耗は著しく、道路網如何によってはボトルネックがあちこちにできる…では補給兵站そのものがヘタるのも、むべなるかなと思います。こうしてロシア野戦軍を伸び切った補給線に引き伸ばすことで益々多額のコストを支払わせ、急激に野戦展開能力を喪失させる…というのが本当だとしたら、ウクライナの冷徹な政治決断には脱帽です。
ワイらが学校にいた時には「サラリーマン問題」とか「巡回セールスマン問題」と呼ばれていた、こうしたコスト管理の組み合わせ最適化問題は経済経営学部では必ず出てくる問題で、全ての軍隊における最重要な課題ですが、もしかしたらロシア軍はこれらに関しても
気になるのはロシアという国家によるウクライナ侵略戦争が「当初は数日で終わって、あとは傀儡政権成立で連中に任せればよい」だから「補給に関してはそれほど必要ではない」と判断したのか、そもそも「カネがない」にも関らず野戦兵器だけは溜め込んでいたので攻撃すればなんとかなる的な「バカさ」から発案された…のどっちなのかが不明ということです。ワイは後者の可能性の方が強いと思っていて、しかもここに空前の規模の金融経済制裁を喰らったために、新たに武器弾薬および糧食・生活備品などの製造輸送管理には莫大なカネがかかる事や、ロシアそのものがダメージをじわじわとうけつつある事から「もう戦争には勝てないのでは?」と思うようになりました。多分、ダメでしょう。
もしかしたらロシアには「二、三日でウクライナ陥落」しか想定がなかったのかも知れません。もしダメだったら…の備えが全く見られないからです。それまでのチェチェン・ジョージア・ルガンスク&ドネツク&クリミア戦やシリアなどでの戦闘経験で負けなし…が続いたことによる慢心があったからかもしれませんが、軍事力で強くなったウクライナ~つまりまともな戦力をもった正規軍のある国家との戦いには勝てなかったという事かもしれません。
少し調べてみた所、ロシアのウクライナ以前の戦闘経験を見てみると「大兵力を送り込んだわけではない」か「まず橋頭堡を確保し、補給兵站の物理的・管理技術上の距離を縮めていた」の二点がありました。前者はシリアがそうで、相手に圧倒的に優越する軍事力がある事を背景に、意外と少数の部隊での戦闘でやり抜けていたようです。後者はそれ以外の戦闘ですが、そもそも当時のウクライナやジョージア(南オセチア紛争時)の国力がロシアと比較して小さい(≒軍事力が弱い)という前提での成功であり、今回のようにウクライナへの莫大な西側からの補給および資金援助・戦略情報の共有などの軍事協力が潤沢にあった場合には通用しなかったということです。無論、ウクライナ人の強靱な意思の賜物であり、歴史の勝者たるにふさわしいものではありました。犠牲が極めて大きいのですが、これは敗戦国ロシアに償わせるべきでしょう。
より重要なのは「GDPで劣る国が勝る国に勝った試しはない」という事で、こらちでも述べたように…
【戦争論】電撃戦とは何だったのか? 〜をカネの面だけで考えてみる
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884987864/episodes/16816700426222937811
…電撃戦はGDPで劣る国を切り分けて征服する、が基本。しかし今回、日米英欧州が速やかかつ一枚岩で反ロシア体制を構築してウクライナに無尽蔵に物資補給を続けるという場合、ドル連邦共和国vsロシアという戦いになり、日米英欧のGDP合算値が5000兆円を超える規模に対してロシアは僅か150兆円では、もはや1/30以下の国力しかないということです(爆
モビルスーツのような戦略戦術を根底からひっくり返すような兵器でも出てこない限り、一年間と戦えないでしょうね、ロシアは(爆
ミノフスキー粒子ももってないでしょうからね…(¬_¬)
ちな、数度に渡って赤い彗星が補給を受けていた事を考えると、ジオンは可能な限り迅速かつ適切な補給兵站線の確保に尽力していたようです。ロシア軍には無い知恵だったのかもしれませんね。
補給というのは普通にやっても破綻するもので、典型的なのはWW2時の連合軍のレッドボールエクスプレス作戦という補給兵站戦でした。ノルマンディ上陸後の前線への補給計画で、非常に綿密に組まれ、物量もあったのですが、やはり疲弊して破綻しています。そのため1944年の秋口には連合軍の進撃が滞るという事が起こっています。距離的には決して長距離ではなく、制空権などの問題もなかったにも関らず距離が伸びれば指数関数的に困難が増幅する…という好例です。持ってる国がやってもこんな感じ。まさに補給という名の王国は、いつも何処かが壊れるものです。そう考えると過去20年に渡り、地球の裏側に物資を届け続けた米国輸送軍の偉大さがどれほどだったか?…か身にしみてわかろうというものです… (;一ω一) ジィー
よってウクライナが無条件降伏せず、犠牲を顧みないで戦い抜いた場合、比較的近い将来、劇的な逆転劇になる可能性も見えてきたということです。
ワイ的にはむしろ1000万人が難民となり、おそらく10万人規模での民間人の犠牲者が出た廃墟のウクライナを戦後、どうやって復興させたら良いのか?…の方が重要と考えています。IMFのような枠組みではなく、戦後欧州で展開されたマーシャル・プランのようにドル与信をフリヴニャ・ウクライナ通貨に与えると同時に、国力にあった通貨切り下げによって輸出力の回復と復興予算の裏打ちを図る…しかないように思います。戦後日本のように単独で重課税で債務を抹消する…もありえるかもしれませんが、ウクライナには当時の大日本帝国の時のような強力な重工業力があるかどうかは不明です(ないわけではないとも思うのですが…)。
プーチンは始末しないとダメでしょうね。それまでに長い時間がかかるかも知れません。差し当たり年内に一度はデフォルト起こすと思われます。回避の方法はあるにはあるのですが、そもそもロシアは資源がある割にはモノとカネが慢性的に不足する途上国で、結果、常に物価高に悩まされてきただけでなく「デフォルト癖」のある国なので、いずれは破綻するのではないでしょうか? 最初の大波は今度の4月で国債および政府債権の償還日が集中しています。およそ2200億円以上で、これをドル建てで返せるかどうかが5月の半ばまでに見えてきます。
よってまずは6月末までの動きでしょうね…(≖ᴗ≖ )
10月くらいにはまたロシアで革命でもおきるかもしれませんね(爆
もっとも心配なのはロシアが生物・化学および核兵器を使用する可能性で、おそらく「プーチンは命令する」と思われます。その後、どうなるかはロシア軍およびロシア人に依拠するので我々にできる事はありません。差し当たり、今回だけは平和運動や反戦運動はしたほうがいいと思います。ロシア人は世界中に散らばっているので、彼らと連帯することでいずれロシア国内の阿呆な連中にも真実が伝わるかもしれませんので…m(_ _)m
はやくこんなバカバカしい侵略戦争が終わることを祈っています。
プーチン・ロシア政権が終わることも祈っています。
あのハゲ坊主、もう少し利口だと思ったんですけどね…(残念
もしロシアが戦争で勝ちたかったら国家総力戦に速やかに移行するしかないんですがねぇ…(ご提案)。資源はある程度あるわけですから。しかし半導体のほぼ全てを輸入するだとすると、中国頼みにはなりますけどね…┐(´д`)┌ヤレヤレ
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