超絶コミュ障イタブサ男のリョウと、激烈可愛いオブ可愛いの極みハルカのアンバランスカップルが繰り広げるハチャメチャストーリー。
そのリョウは霊感体質、ハルカは超束縛気質。さまざまな心霊体験を通し、絆を深めてゆきます。
えーと、それはさておき、いろいろ凄いです。リョウの窮地を救うのは、いつも闇堕ちした鬼神と魔人の怖いとこ取りの真•闇ハルカと無数のゴリラ。
サブキャラクター達も魅力的で、そして何よりM-1より吉本新喜劇より密度の濃いギャグの応酬。
その根底には生と人の想いの美しさがいつもあります。
投げられるそのウンチすら、輝きとなって飛び散る。エピソードごとに、その中に混じって投げつけたくなるような気分になります。
強さと美しさに満ち溢れたこの最強のゴリラホラー、略してゴリラーをあなたも是非。
この作品はホラーです。主人公、リョウは幼いころから幽霊を見ることができ、そのせいで関わりたくないような恐ろしい目にあう事も多々あります。
ですがこの物語で真に恐ろしいのはそんな悪霊の類などではありません。
リョウくんにはハルカという彼女がいます。可愛くて誰もが羨む、天使のような彼女です。しかしそんなハルカにも、たった一つだけ欠点がありました。嫉妬です。
毎日のスマホチェックは当たり前。リョウくんの部屋にはカメラをセットし、常にその行動がわかるようになっています。少しでも浮気の匂いがすれば、天使は一転、魔王へと変わります。
そしてその嫉妬の炎は生きた人間にはもちろん、悪霊にだって向けられます。「てめぇ、なにあたしの可愛いリョウくんに憑りついてやがるんだぁぁぁっ!」ってな感じです。
相手がどんな悪霊だろうと太刀打ちできません。しかもそうなったら、どこからともなくウホウホと言う鳴き声とドラミングの音が響いて……
何なのかって?読めばわかります。
幽霊以上にぶっ飛んだ彼女と織り成す騒動の数々は爆笑必至です。って、あれ?これってホラーですよね?
この作品。
ホラーに分類されています。
ええ。ホラーですよ。霊が見える主人公リョウくんのお話ですからね。怪奇現象表現がちゃんとあります。
ですが。
この作品のホラー部分は、リョウくんを愛しすぎる恋人のハルカによる『束縛描写』。
怖い……。
なにより怖いのは、ハルカの愛……。
そしてですね。
この物語の素晴らしいところは、ホラーにコメディを上手く融合しているところですよ。
鳴り響く、ゴリラのドラミング。響き渡る、「ウホホホホぅ」のゴリラの雄叫び。飛び交う、ゴリラのキラキラ……。
……え? なんでゴリラか、って……?
それは、ご自身で読んで頂き、謎を解明して下さいませ。
くれぐれも。
電車の中や、会社の昼食時に読んではいけませんよ。
ホラーですが。
爆笑必至ですから。
この作品には、セルフレイティングにある通り「暴力描写」と「残酷描写」が含まれています。
ジャンルがホラーなだけあり、悪霊なども登場するので、当然だと思うでしょう。
ところがどっこい、暴力性も残酷性も、主にヒロインであるハルカの手によるものなのです。
それもこれも、たびたび幽霊に寄り付かれる主人公・リョウを守らんとする、弛まぬ(行き過ぎた)愛ゆえ。
普段は天使のような彼女が本領を発揮した際の、魔王もかくやという凄まじき闇オーラは、間違いなくこの作品最大の見所であります。
更に特筆すべきは、ハルカの守護霊たる数多のオスゴリラたちの存在。
ここぞという場面でドムドム登場し、ハルカの闇パワーが最大限に引き出されるようウホウホアシストし、勝利の際にはウン◯チを投げ付け求愛行動を示す。
ハルカのオーラによって蒸散したウ◯ンチがキラキラと光り輝き、彼女を包む美しい弾幕と化すシーンは必見です。
メインの二人だけでなく、ハルカの両親やバイト先のメンバーなど、脇を固める登場人物たちも特濃キャラばかり。
どこを取っても面白く、ちょっと怖くて、そして時々ほろっと来る、極上ゴリラブホラーエンタメです。
最後に、未読の方へ。
この作品を読む時は、部屋に一人になってからにしてくださいね。
そうしないと、絶対に(笑いを堪えきれずに周囲の人からおかしな目で見られる的な意味で)大変なことになりますから。
いいですか、あたしゃ忠告はしましたからね……
主人公は暗くて地味で何の取り柄もなくて友達もいない、特技と言えば幽霊が見えるだけの平均点よりちょい下くらいの男子学生。
そんな彼の彼女は可愛くてスタイル抜群、頭も良ければセンスも良い、料理上手で人付き合いも上手、誰にでも好かれて皆が憧れる超絶ハイスペックな女の子。
羨ましい?そうですか。会うたびにスマホをチェックし、他の女性と喋ると浮気を疑い、二人の仲を邪魔する者がいれば悪鬼となって成敗するような彼女ですけどね。
そんな彼女ですが可愛いことに、熱烈に主人公ラブなのです。「あんな彼氏のどこが良いんだ」と言って強引に迫ってくる男がいてもシメてやり、邪魔をする幽霊がいても力ずくで排除する。そんな一途な彼女。
恐いと思うか可愛いと思うかは、読む人しだい。
あ、カレカノ事情をつらつらと書いていますけど、本作はホラーです。笑いあり、笑いありのホラーとなっています。
霊感体質の【僕】には彼女がいる。
闇よりも深く病んだやみつきの愛をくれる【超絶美少女ハルカ】が。
え?
「リア充爆発しろ」って聞こえたけど?
とってもとっても羨ましいって?
ふぅん……。
そう思ったあなたには、
是非ともこの小説を読んでほしい。
僕のありのままの日常を綴った、
このおぞましきホラー小説を……がくがくぶるぶる。
ハルカの病的な愛情の前には、
悪霊も亡霊も英霊さえもひれ伏せるだろう。
猟奇的な束縛の渦を前にして、
あなたはもう二度と「リア充爆発しろ」などとは言わないだろう。
ほら、見てごらん?(遠い目)
無数の弾丸のように飛び交うゴリウンチが、
今、僕たちを祝福するっ!