人生に正解や不正解はないと思うのですが、それでも誰かに『その生き方で正解だ』と言ってもらったりして肯定してもらいたいもの。恵さんは単に言葉で肯定してもらっただけでなく、味の記憶も踏まえて彼女の人生を認めてもらえたのでわだかまりが消えたのだと思います。
どんな生き方になったにせよ、その人生は自分で選んで決めたもの。自分で否定しては自分が可哀想。今の自分に納得がいかなかったとしても自分を否定せず、認めてまた一歩ずつ前に進んで行くのが大切なのかなと読んだあとに思いました。
今回もとても素敵な作品でした。
三途の川。
それは人が死ぬ前に渡るという、彼岸と此岸を分ける川。
そのほとりに建つ、一見ごく普通の食堂——「三途の川のホトリ食堂」なる場所が舞台のお話です。
ここで店主として働く明朗な少女サエと常連客?篁の前には、いつも同じような境遇のお客様が訪れます。
彼らは揃って皆同じ。
様々な事情から命を落とし、黄泉の国へと旅立つために三途の川へやってきてしまった人間たちなのです。
サエのお仕事は、これからあの世への長い長い旅路を歩く人々に「食事」を振る舞うこと……
現在公開されているお話がプロローグといった感じでしょうか、最後にはじんわり涙が滲んでしまいました。
思い出を味わった「彼」のこれからの長い黄泉の国への旅路は、きっともう大丈夫でしょう。
心温まるお話を是非ともご一読ください!