4話 初めての仕事
金がないから仕方なく受けたとはいえ…
これは割に合わねぇ!
━━ 現在深夜3時。
「なるほど。このカンスウ?は
奥が深いですね。」
俺の隣でワプがそう言い微笑む。
俺が教師として活動する時間は
ワプの業務(客に夕食を出すまで)が
終わってからである。
そこまでは良かったのだが
まさかここまで勤勉だとは、
知識欲ってもんは恐ろしいもんだ。
昨日ぐっすりねたせいか
体が受験期生活から開放されたと思ったらしく
睡眠を異常なまでに欲している。
…眠い。
それにしてもこの世界の人の
暗記能力が以上なまでに高い
たぶんいままで文字なしで
記憶を頼りに生きてきたからなのだろうが
1日で関数まで習得しそうだ。
それにしても人に教えるって言うのは
自分にもプラスだな。
このことを受験前に気づいておけばよかった。
「アキさん。もう夜遅いです
これからどうしましょう。」
「へ?」
俺は時計を見るまもなく3時半になるところだ
まぁつまりあれだそういう時間だ。
この質問に俺は
━━童貞の俺はどう答えたらいいのだろう。
ハイわかりました。と
言えばいいのかもう少し過程をふんでからと
言えばいいのか。考えろ吉明。
この先のルートをみすえて…
「やりましょう。」
「ホッ本当にいいんですか?」
「喜んでこちらも元気になってるしね」
「よかった。ではここなんですがか」
「ん?」
ワプの指の指すところは
ちょっと難しめにした(と言っても中学レベル)
関数の問題だった。
「ここまでとけたんですが
これからどうしましょう。」
…あぁそういうことか
気づいた瞬間からとてつもない
恥じらいに襲われる。
なんだよこっちも元気になりましたって…
その心の声を体現するかのように
「なんで急に元気になったんですか?」
そんな事を聞いてくるワプさん。
「は、ははっ」
人間こういう時 苦笑いしかできないのか
知らなかったよ。
結局このあともしばらく
教師としての仕事は続き
俺が床についたのは4時半だった。
異世界でこの知識をどういかすか @ureikaarata5625
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