第42話
命の
レーダーで周囲の地形を
しかし、その
大量の情報が脳へと直接流れ込む。それらを整理し、
気を抜けば意識がシャットダウンしてしまいそうだ。
「カーディル、ここらで奴を
「待ってましたぁ!」
ディアスの
決戦の気配を感じたか、人馬も10メートルほど離れたところで止まった。さらに身を沈め、いつでも飛びかかれる
人馬が横ばいにじりじりと動く。砲塔はその姿を追い旋回する。不用意に撃つわけにはいかない。
こいつは先ほど、ディアスの
10メートルなど
だが、相手は数年間ミュータントと戦い続けてきた
人馬が動くと同時に戦車は急速に後退した。跳躍している間は当然、
跳躍は明らかに
このミュータントは街を大した危険の無い、ただの
(やはり
人馬が着地するかしないか、そのタイミングで
ゆらゆらと舞い降りる照明弾に照らされた人馬の表情が、
無意識にとった命への
バケツをひっくり返したように血が流れ、ぐずぐずに
月明かりの無い、人工的な明かりが
「いよっしゃあ!」
カーディルが
あのミュータントには感情があったのだろうか、恐怖を感じていたのだろうか。とっさに頭を手で庇うなど、あまりにも人間くさい
わからない。何も、わからなかった。
「これであいつに食われた人たちも浮かばれるってもんよね!」
彼女は素直に喜んでいる。確かに人間の立場からすればこれは
だが、あのミュータントにしてみれば、ただ食事をしただけではなかろうか。
奴は人間の
全てが終わった今、無惨な死を
「ディアースッ、どうしたの?」
いつまでも
「いや、なんでもない。ちょっと疲れちゃってね」
「そうね、早く帰ってゆっくり寝たいわ。それで、三日間くらいずっと外に出ないでベッドでゴロゴロしたい」
「いいね、実に
気を取り直し、クーラーボックスとチェーンソー、
荒野の気温は昼と夜とでこうも違うものかと、身を
生死の確認のため、じっとその顔を見つめる。歯をむき出しにし、血の涙を流すその表情は、死してなお
「お前たちはどのように産まれ、何のために生きているのだろうなぁ……」
ディアスの
この無念の顔こそ、人馬が最後に
ならばそれを
構えたライフルを下ろし、代わりにチェーンソーを
チェーンソーを振りかぶったその瞬間、
(しまった……ッ!)
己の迂闊さを呪いたくなった。敵の
これもマルコとの会話のなかにヒントはあった。予測、警戒して
二体めの人馬である。
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