第39話
荒野で人間が肩を寄せあって生きる街、プラエド。
街の中央、
金持ちは安全なところへ、貧乏人は危険なところへ、そんな
街の
ミュータントが
ミュータントもそう
貧しい家にも銃だけはある。人間にも多大な犠牲が出るが、取り囲んで集中砲火を浴びせ討伐した事例はいくらでもある。
そしてミュータントを討伐すればハンターオフィスから賞金が出るので、化け物の
だが、この夜だけはそう気楽なことも言っていられなかった。
貧民街の少年ラモンはこの日、
なんて下らない人生だ。ラモンは街の中央がある方向へと眼を向けた。
ここから
貧民街から抜け出すための一番手っ取り早い方法はハンターになることである。少年もまた、そうした野望を抱いていた。しかし手持ちの武器が拳銃一丁だけではあまりにも心もとない。
(ゴミの山を漁って
その場に立ち止まり、拳銃を取り出してじっと
(死体が見つからなければ、いっそ作ってやってもいい……)
未来を切り開く
口元を
悪臭に
恐る恐る振り返ると、いつの間に現れたのか、赤い瞳の巨大な馬が見下ろしていた。
その前足は人間の手の形をしていた。後ろ足は人間の足だ。ミュータント馬の巨体を支える分、人間のものとは比べ物にならぬほど太く大きいものであった。
叫び声が、声にならない。銃を
転げ落ちた松明を踏み消し、馬はラモンの
遠目に見れば馬が草を
あらかた食い終えると、馬は来たときと同じようにのんびりと歩いて去っていった。
ラモンの死に様は悲劇的ではあるが、珍しいことではない。彼が望んだ、ハンターとして生きる者がいつかはたどり着く結末だ。
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