第32話
ディアスが
「これが欲しいのかい?ごく普通の
「普通ですか?カタログスペックを見る限りとても高性能に思えますが」
「そういう意味じゃなくてさ。腕からブレードが出るわけじゃないし、マシンガンを
「それでいいんですよ。
珍しく二人の意見は
意見が別れたときは
そんな彼が
「聞いてくれ。こいつは僕の
信念、などと
「僕はね、
「高性能、イコール、武器を
「なんで!?いざというとき、腕がガシャーンと変形して、マシンガンになってガガガーッて撃つのは男のロマンじゃないか?」
らしからぬ
「カーディルは女の子です。男の子のロマンを押し付けるわけにはいかないでしょう。自分が義肢をつけることになってもご
「なんでそんなに特殊義肢を
「
たった一言で夢もロマンもばっさり
「そもそも、博士は通常の義肢があまり好きではないようですが、それではなぜこれを作ったのですか?」
カタログに
「なんで、って言われちゃうとなぁ……。君たちのおかげで義肢に関するデータは
何が問題なのだろうか、そう考えつつディアスは
「で、我ながら何をとち
カタログを
「見た目は
借金を
「とても気に入りました。もちろん、
「日常生活用の義肢なら、もうあるじゃないか」
こういうところがマルコと話が合わない理由だな、とディアスはしみじみと考えていた。三本爪でコードが
外出するときは
もっとも、あの義肢は実験に協力する
「それとさ、部品は無駄に良いものを使っているから、高いよ?値下げしてあげたいところだが、これでもギリギリの
今使っているような、とりあえず動くものとは比べ物にならない。
だが、自分たちも5年前とは違うのだ。中型のミュータントを安定して狩れるようになった今、
「問題ありません。スペック通りなら
「多分、君が今考えているだろう金額の四倍はかかるからね」
「え?」
ああやっぱりな、そんな顔をしてマルコは続けた。
「
確かにその通りだが、左腕を切ったのはお前だろうと言いたくもなる。
(いや、その
しばしの
「とりあえず今日はこれで失礼します。ええと、カタログをいただいても?」
「いいとも。できれば他のページもじっくり見てほしいものだね」
ふと、何かが気になって振り返る。
その視線はマルコの
「何かあったかい?」
「いえ、何も……」
どこにでもある普通のカタログを、ディアスは宝物でも扱うように
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