第25話
工場の
狩りの
そんな彼の様子をマルコは面白そうに
「接続ユニットの取り付けなんて
「そういうものですか……」
「目をつぶってもできる」
「いや、さすがに目は開けてください」
さらに三時間ほどで
不安と期待を胸に病室へ入ると、カーディルは毛布を肩にかけ、ぼんやりとベッドに腰かけていた。そう、座っているのだ。手があり、足がある。
ディアスの姿に気づくと、カーディルは恥じ入るように目を
何事だろうかと近付き、そして毛布の
脚は先のとがった三角形から鉄の棒が伸びて、ところどころにコードが
手も脚も、
「ねえ、ディアス……」
カーディルが、
「私のこと、好き?」
「愛しているよ」
「あなたは優しいから、すぐにそういうことを言うけれど……ッ」
ディアスに
しばし、無言で抱き合う二人。
「私、あなたに支えられてばかりね……」
「君がいなければ、俺は立ってはいられなかった」
カーディルの体を持ち上げて、ゆっくりとベッドに下ろす。正直なところ、とても重い。だがそんなことはおくびにも出さぬディアスであった。
「ありがとう、少し落ち着いたわ」
「そいつはよかった」
ディアスもベッドに腰かけると、カーディルはごく自然な流れでもたれかかってその身を預けた。
「博士が言うにはね、しばらくこれを動かす練習をしなけりゃいけないって。リハビリみたいなものね。この手足が自分のものだって、頭に教え込まなきゃならないのよ。これが、自分の手足だって……」
三本爪がカチカチと
「それが終れば次は……」
「戦車、か」
少しの間、考え込む二人。そして口を
「戦車かぁ……」
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