恐怖

突然現れた、そいつは…

教卓の上にのりこう言った。

『僕の名前は、ラビット。──僕と遊んぼ』

教室の誰もが息をして立っているのがやっとだった。

黙りこくったこの教室でたった一人だけ口を開いた奴がいた。

「おい。おまえの目的はなんだ?」

そう質問したのは、クラスのリーダー格ともいえる存在の惣島 達也。

『だから、遊ぼ…』

「なんの、あそびだ?」

『…じゃあ、まず質問ゲーム』

「─質問ゲーム?」

『ルールは、僕がこのクラスのだれかに何か質問するの。それを正直に答えるだけ。正直に答えなかった人には罰ゲーム。制限時間は、1分。簡単でしょ?』

そういった、ウサギの顔は、気味の悪い笑を浮かべていた。

「あ、あの…その罰ゲームって、、」


『そんなの言っちゃったらつまんないじゃん。まぁ、くじ引きできめるから言うも何も無いけどねー』

「くじ引き…」


『じゃあ、ゲーム開始』

クラスに澱んだ空気が流れた。

な、なんなのよ、、これ?

みんな、震えてる…

私だって、、怖いよ…

泣きそうになった私の手に紗理奈は、手をおいてくれた。

「大丈夫。絶対に私が守ってあげる」

「…うん」


『じゃあねぇ、まずはどうしようかなー。

出席番号──』

ごくり…

『15番の桜田 みずきちゃん』

「わ、わたし…」

『うん!じゃあ、しつもんするよ。君の履いているパンツは何色?』

「えっ…、パンツ…の色」

パンツって、でも難しい質問じゃなくて性的な質問なのかも…

女子には、ハードルが高いけど…

言えば、罰ゲームはない。

『早くー、なに色なのー?』

「…み、水色…です」

『ほんとにー?』

「ほ、ほんとです!」彼女は、泣きそうになりながら答えた。

『じゃあ、見せてよ』

「──えっ」

『答え合わせしなきゃね』

彼女は、ゆっくりとスカートの裾をめくった。

「おい、まじかよ!」「うそだろ?!」

クラスの男子達が騒ぎ始めた。

なぜこんなことをさせるの。

私たちと、遊ぶというよりあのウサギが、私たちで遊んでる…


『はいはーい。正確♪』

「…よかった」

彼女は、肩の力が抜けたのかすぐに椅子に座った。

『じゃあ、次は出席番号──』


『25番 間中 涼介くん。なーんだ男か』

やっぱり、このウサギ女にしか興味がないんだ。

「っで、俺への質問は?」

『そうせかすなよ。えぇーとね。そうだ』

間を少しおいて、口にした言葉はやはり先程の質問より難しくなっていた。

『─今回は、質問じゃないよ命令だ。まぁ、たぶん男子は、全員命令になるだろうけど』

「っで、なんだよその命令は…」

『今この場所で、服を脱いで、女子の誰かに股を舐めてもらってねー』

えっ、そんなの無理に決まってるじゃん。

あんな奴のま、股なんか舐めるなんて!

「おい!横山 和!!こっちに来て俺様の股を舐めろ!命令だ。」

横山さんは、涼介たちのグループでいつもいじめを受けていた。

『ふふふ、横山さん♪別に君のしたいようにすればいいからねー』

「おい!時間がねぇんだ早く来い!」

「…や」

「あっ!なんだって?」

「いや!」彼女は、叫んだ。

「おまえ、誰にむかってそんな口聞いてんだ!」

「もう、、あんた達の言うことなんて聞きたくない!」

「なに!てめぇ」

『はい。時間切れー』

「おい、まてよあとすこし時間を──」

『見苦しいーなー。じゃあ、くじ引き開始~♪なにがでるかなー』

あいつは、近くにある箱に手を入れて小さな紙を取り出した。

『はいはーい。間中 涼介くんの罰ゲームは───』

『煮込む』

すると、校庭にでかい鍋が現れた。

『じゃあねー、生きてたらまたあそぼーね♪』

「おい、、何で体がかってに…」

どポン。そう言い残して、熱く煮込まれた鍋へ飛び込んだ。

『ざんねーん、2人目で失格者か、まぁ、いっかまだ沢山おもちゃはあるしね♪』

また、そのウサギは、薄気味悪い笑を浮かべた。

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Rabbit とけい @aikachapy0821

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