Rabbit

とけい

観察

私、冨久美 芽唯(15歳)。バリバリのJK。

好きな事は、、いまのところ『人間観察』かな。


私は、いつものように自分の席に着いた。 今日も、いつもとなんら変わらない穏やかで平穏な1日が始まると思っていた。あんなことが起きる前までは…


「めーい。まぁた、あんた告られたんだって?それも、3年のサッカー部のキャプテンに!うっらやましぃー」

っと、私の席の隣で話しているこのギャル系の子は、安藤 紗理奈。明るくておちょうしもので、友達も多い。

私と紗理奈は、保育園からの幼なじみ。


「─うん。でも、断った」

「まぁ、いつものことながらもったいない…」

「そう?」

「そうだよ!」

っと、2人で盛り上がっていると…

ガラッと、勢いをつけて教室の扉が開いた。その瞬間ざわめいていた教室内は、一瞬で静まり返った。

いや、静まり返らざるをえなかった。

その扉をあけたのは、先生やクラスメートでもなかった。

そこに立っていたのは、うちのクラスの担任の頭だけを持った『ウサギ』だった。


「な、なんだよあれ?」

「作り物…」

「にしては、、リアルだよな」

クラスメートが、騒ぎ始めた。

すると、「おいおい、誰だー。こんな、悪趣味な人形作ったのは?」っと、クラスでいつもいじめをしているグループの1人が人形に近づいていった。

「よ、よしなよ…なんか気味悪いよそれ」

「大丈夫だって。おめーらこんな人形にびびりす───」


「えっ、、」

一瞬の出来事だった。

───彼の首が消えた。

いえ、正確に言えば『食われた』。

あの、突然現れたバケモノ(ウサギ)に。

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