作中に仕掛けられたギミックが非常に効果的にはたらいて、これだけの短さなのに読後感を重層的に底上げする作者さまは読み専さまだそうですが、書き手になったら大活躍なさりそうな、ただものではないセンスの持ち主と感じました脱帽です‼️
読了後の余韻が、ひたすら切ない!これだけの短い文字数にも関わらず、物語のキーポイントや美しい情景、登場人物の艶やかさまでもが、極々自然にわかりやすい表現で、ずっしりと詰まっていて、頭の中に絵が浮かぶようでした。心臓が弱い私でも無理なく読める長さと、適度なホラー感。おススメです(*^▽^*)とても良い作品を、ありがとうございます。
5月の連休に帰省した大学生の智也は、子どもの頃に遊んだ場所を思い出しながら近所を散歩していた。一緒に遊んだ旧友のことを懐かしんでいた時、目の前にとある人物が現れて――。軽い口調の一人称で綴られる物語の中に、ノスタルジックな雰囲気とちょっぴりの怖さが含まれていて、きれいにまとまった短編でした。彼の思惑が何だったのか、読者に想像を委ねた余韻のある終わり方も印象に残りました。最後のオチも見事です。美しく咲く藤紫の花を見つけたら、この物語を思い出しそうです。
菖蒲の花って綺麗ですよね。実は、御作品を読んだ日のお昼頃、自分も菖蒲をテーマにしたお話を考えていたところで、作中の裕貴ではないですが、なんだかタイムリーな気がして、反面ドキリとしました。もし、かくれんぼに負けていたらどうなっていたのか。二人のやりとりを見ている限り、負けても優しい要求であってほしいなと感じます。オチも上手くまとまっていて、勉強になりました。※「お化け企画」にご参加頂きまして誠にありがとうございます。にぎた