ウチのウィザードはド変態

@Yoruno-Y

プロローグ

エピローグ


テレビをつければAIやら少子化問題やら毎日流れている。

「クソつまんな。」

はっきり言って自分には明日何のパンツを履こうか?明日の観るアニメは何にしようか?と同じほどくだらない話である。

そんな些細な事を考えていてもどうも引っかかる所がある。

「AI」

AIである。最近になって話題になった事件はAIがネットの中に入り込んでユーザーのアカウントを乗っ取るらしい。

電脳世界ってヤツを行き来するらしくて正直、ネットサーフィン大好きな俺からしたら憧れる。

だが乗っ取るだけならまだ俺らには被害は無い。

問題はここからである。

そのAIは乗っ取るだけではなく、この人間世界。すなわち現世にもあらゆる電化製品を伝って人間を攫うらしい。

そんなの誰かが作った噂話だと思ったが誘拐事件は確かに多発している。

「ま、引きこもりには関係無い話だけどな。」

そう、関係無い話。

引きこもりには。

「しっかし腹減ったな。」

パソコンのデジタル時計は丁度お昼の12時を過ぎていた。

「久しぶりに外へ出るか。」

あれからもう4ヶ月ほど家を出ていない。

「あれ?キョウマ?もしかして出掛けるの?」

「あ、うん。腹減ったし。飯無いでしょ?姉ちゃんの分も買ってくるよ。」

自分の姉である。正直、共働きの親の間で自分を支えてくれていた。

そう、あの時の後の今でも。

「助かるよ。じゃあ、あたしグラタン!」

「はぁ?!こんな真夏日に置いてるわけないって!」

「えぇっ?!そうかなー。んーじゃあ、お寿司!」「ジャンルめちゃくちゃ変わったな!?分かったよ。適当に買ってくる。」

「気をつけてねー!」

幸いな事に自分の家から徒歩5分程の所にスーパーがある。そう、普通の人間なら徒歩5分なのだ。

「おかしいだろ。。全然見えて来ないぞ。。徒歩5分ってなんだよ。。」

4ヶ月も引きこもってると体力だって低下する。

「こんな時にワープやら使えたら。。」

ゲームの世界はほんとに便利である。数百円払えば1晩泊まれる、お金だって落ちてたりする。なんて優しい世界なんだ。

ドンッ

「あっ、すいませ…」

目の前に浮かんだ光景は今までに見た事の無い形をした巨大なナニカだった。

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