恋人と二人で異世界転生?!

森野 杏

第1話 始まり①

 俺、工藤京介くどうきょうすけは私立聖堂学園高校に通っていて、ラブラブリア充生活中だ。

 可愛い彼女が出来、友達もたくさん出来た。毎日の学校生活が楽しい。

 ちなみに俺に彼女が出来たのは約半年前だ。

 半年前の春、この私立聖堂学園高校に入学を果たした。

 それから数か月、不安だった学園生活に慣れた時のことだった。

 夏の暑さが感じられる七月の初めに俺は学園トップ10に入るほどの美少女に告白された。

 その美少女の名前は水無月桃華みなづきももか。彼女とは同学年である。

 身長はそこそこあり、スタイルがいい。透き通った白い肌に粒子を纏っているような長くて白い髪。桜を連想させる柔らかな唇に鮮やかな青色の瞳を持つ目。

 勉学では、テストは3位以内で、スポーツも万能。更には調理に裁縫等も出来る。なんと完璧な美少女だ。

 彼女ほどの逸材はいるだろうか。いや、いない。そんな彼女を俺は手にしたのだ。

 俺は校舎裏にいきなり呼び出されて告白された。告白してきた彼女も顔は鈍感な奴でもわかるほど赤面していた。

 途中彼女が台詞セリフを噛んだことは俺しか知らない

 始めは俺も疑心暗鬼だった。学園トップ10に入るほどの可愛い女の子がモブキャラみたいな俺に告白してきたのだから。

 だがすぐに相手は本気だと分かった。だって顔を真っ赤にしてチラチラ見てくるし、目が合いそうになると目をそらすし。

 そんなこんなで俺達は付き合うことになった。


 秋の終わりが見え、茶色の風景から一転し辺りは白で満たされていた。

 雪が降り積もっているおかげで辺り一帯はまるで銀世界のようで異世界の雪国にいるような錯覚を覚える。

 そんな雪道の中俺達は横に並び歩いていた。

 「今年も雪すごいね」

 「そうだな。寒いし家から出たくない」

 「またそんなこと言う!彼女がいるというのにその発言はダメ!」

 「ごめんごめん」

 「分かればよろしい」

  何故俺達はこんな雪道の中を歩いているのかというと今日は彼女にとって大切な一日だからだ。

 今日は彼女の記念すべき16回目の誕生日なのだ。

 俺は雪がすごいから外出はやめようと言ったのだが桃華がどうしてもと言うので仕方なく外に出ているのだ。

 無論辺りに人の気配など微塵もない。わざわざこんな雪の中、外に出る大馬鹿者はいないようだ。

 だが幸い今は雪がおさまっているし、地面の雪も柔らかい。転んでも雪のおかげで助かりそうだ。

 一歩進むたびに足が雪の中に埋もれていく。既にズボンの裾が濡れていて寒い。

 だが俺達は歩く。目的の場所へと……。

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