ゴールデンウィーク特別編です。穂咲ファミリー編と言い換えてもいいでしょう。
ヤンチャなグランパに相変わらずなグランマ。物語の一人称を自認(?)する主人公くんが、その特権的地位を穂咲パパに譲るシーンもあります。特別編だからでしょうか、スペシャル感が強いです。
そして全ての謎が解き明かされる完結編でもあるのですが、自分は今回の話に、敬愛する京極夏彦先生のテイストを感じました。謎の解明が人々の懊悩を晴らすという、あの憑き物落としの感覚です。
誰一人悪人のいない、たった二つの家庭ですら、その優しさ故にボタンの掛け違いが生じ、やがて悩ましい過去になってしまう逆説。どうにもならないそんな摂理に翻弄されながら、笑って泣いて、また笑えるこの世界の素晴らしさ。
京極堂のいない世界での鮮やかな憑き物落とし、お見事でした。